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夢みたいな現実。39 ページ39

「……お、おはようございます……」


情けない。下を向いて挨拶するなんて常識がないじゃないか。それでもそれが今の私に出来る精一杯だった。


「あっ、見習いさんおはよー!」


その能天気な声に驚いて勢い良く顔を上げる。

いやね? 昨日の流れで言ったらふつー無視されると思うじゃないですか。うん、そうだよね。ましてや審神者様なんか特にそーしていい権利持つと思うんですよ。……権利ってなんだ、まぁいーや。


「え、あ、ありがとうございます……」


何故だか感謝が出た。泣きそうになった。
こういう時涙腺脆いの呪いたくなるよねー。


「あぁ、見習いかい? おはよう。すまないがそこを少し退いて貰えるかな?」

「あ、見習いくんおはよう。もし良かったら料理運ぶの手伝って貰えるかな」

「え? か、構いませんが……」


下を向いて立ち尽くしていた私に向かって、後ろから声が掛けられた。
どうやらその正体は料理を運んでいる歌仙とみっちゃんだったようだ。

………っじゃなくってェェ!!

え、どういうこと? え、私これからは努力して頑張りますみたいな決意固めて来たんだよね? え、待ってあの私の決意も努力も意味なかったってことですか?……はぁぁぁ!? 意味分からん!! 昨日の今日で何があったし!

みっちゃんは前田と平野に「厨に案内して貰えるかな?」ってさも当然のように伝えてるしぃ!?

その話し掛けられた二人もまだ理解が追いついてないようで何かを考えながら歩いている。そしてそのあとを私は追いかける。どうやら案内してくれてるようだね! 器用だね!


……それに、入った瞬間感じたのは殺気ではなく、家に居るような安心感。

そう、とても安心したのだ。多分、そう感じたのは私だけじゃなくて、あの場に居た全員……何故かは分からないが、私がここに来てくれたことに酷く安心していたように感じた。



え゛、てことはなんか仕組まれてる?
こっわ!「へへっ、思惑通り来てくれたか」的な? 的ななの!?

背筋に寒気を感じてブルッと身を震わせると、私に声が掛けられた。


「見習いさん、大丈夫ですか? 着きましたよ」


考え事をしていたとあらば、当然下を向いていたということ。そしてそこにひょこっと私を心配そうに覗いたあと天使スマイルを見せる平野が居た。

以前の私ならば目がァァァ!! と叫んでいるところだろう。だが、破壊力が凄すぎて声すら出なかった。天使って凄いね。


「……はっ、す、すいません有難う御座います」

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なのは(プロフ) - 甘gumさん» こ、こんな不定期なものでも待っていてくださるなんて…感動です!!謎の視線については後々…ということで、また頑張っていきます!ありがとうございます(*^^*) (2019年11月26日 9時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
甘gum(プロフ) - 更新待ってました!ありがとうございます!主人公を見る謎の視線が何なのか気になりますね…更新お疲れ様です! (2019年11月26日 0時) (レス) id: ac11c5bffc (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雪さん» うわぁぁ!!涙が止まらないなんて.......ありがとうございます!!これからも長く続けられるよう、推進して参ります! (2019年7月2日 6時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
- 一気読みさせてもらいました!涙が止まりません(笑)続き楽しみにしてますっ! (2019年7月1日 20時) (レス) id: 83eed38689 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 狐火さん» 遅れてすみません!一目惚れして頂いて感謝です!まだまだ長くなるかも知れませんが、今後ともこの小説をよろしくお願いします! (2019年2月25日 19時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋月なのは | 作成日時:2017年8月15日 15時

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