Symphony【病系】【短編集】

08_愛しテイまス。【黄×桃】 ページ26

▶︎ストーカー

━━━━━━━━━━━━━━━

黄side








家に着いて、ポストを開ける

何枚かのチラシと封筒に混ざって1枚の手紙が入っている



「 ぇ、… 」

その手紙に書かれている宛名を見て思わず声が出た



だって、記載されている宛名が本名じゃなくて、［るぅとくんへ］だったから＿＿＿＿








.








ピンポーンと、宅配を頼んだ訳でもないのに鳴るインターホン

定期的に送られてくる誰からかも分からない手紙

外を歩くと、後ろに感じる気配



怖くて、怖くて…どこにいても何をしていても休息なんて取れたもんじゃない





［ いつもあなたヲ見ているヨ。私は貴方を愛しテイるかラ ］

［ 他のヒトに伝えよウトしても無駄。警サツに言ッタら、他のメンばーがどウナるか覚ゴしておいテね ］


新聞を切り抜いたような文字で書かれているその言葉に、なんの根拠もないのに僕は怯えて、誰にも相談できず

こんなストーカー行為がもう3ヶ月以上続いている







「 るぅとさん、あの曲の締切の事なんですけど… 」

「 あ、すみません。急いでやります 」

「 お願いします 」


いつ鳴るか分からないインターホン、週に一通は絶対にポストに入っている脅しとも取れる手紙

顔も分からない人からの攻撃に、僕はひたすらに参っていた



やることはいっぱいあるのに、全然手につかなくて、夜も警戒心が解けなくて眠れない

辛くて、怖くて、苦しくて…僕の心は崩壊寸前だよ






.

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す