Symphony【病系】【短編集】

03_ケセラセラ［赤×橙］ ページ10

▶︎入院生活

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橙side








俺の人生、こんなところで終わりなんか

親に言われるがままの人生をあゆみ大人になり、特にやりたいことも無くただの会社員

そして突然の病気発見





「 ここが、ジェルさんの病室になります 」

「 はい… 」


4人部屋の左入口側のベッドが俺の場所らしい

右側のベッドは空で、俺の隣のベッドはカーテンが閉まっているから誰かいるんだろう




「 30分後ぐらいに検査がありますのでそれまで荷解きなどやっておいてください 」

「 あ、はい 」


看護師さんはにこって笑って去っていった

カーテンの奥にいる誰かは気になるが、別に話しかける程でもないとバックをベッドに置いて荷解きをした





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荷物も最低限にしたものだからあっという間に終わってしまって、暇だなぁとベットの上に胡座を書いてぼーっとしていると隣のカーテンの奥から音がして、シャッとカーテンが開いた





「 …、っうわ！びっくりした！！ 」

欠伸をしながら、眠そうにとぼとぼと歩いてくるその男性は、俺を見た瞬間小動物のように後ろに飛び跳ねた



「 あw すみません
今日からここに入りましたジェルです 」

「 …あぁ…w 莉犬です、w 」


そう言って軽く会釈だけ交わし、彼は病室から出ていった

しばらくして戻ってくると、先程までのメガネがコンタクトに変わっており綺麗なオッドアイが輝いていた






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莉犬…さんは自分のベッドのカーテンを全開に開け、俺の方を向いてベットに腰かけた



「 、なんですか？ 」

「 えあ、いや！別に！w 」


俺に向けられる眼差しは…そう、まるでおやつが欲しい子犬みたいな感じ




「 あ、莉犬さんはここに来てどれくらいなんですか？ 」

「 莉犬さんってw 莉犬でいいですよ！多分俺の方が年下だし 」

「 何歳なんですか？ 」

「 俺は、20〜〜、あ、この前4になりましたね 」

「 俺は26です 」

「 ほら俺当たってた！ 」


意外だった

入院している人って、もっと静かというか他人にあまり興味を持たないというか…


俺の想像と真反対な莉犬に、ただ圧倒されていた






「 俺はねここに来たのは2ヶ月ぐらい前かな？それまでもう数え切れないくらい色んな病院転々としててさ 」

「 …へぇ 」


もっと莉犬のこと知りたい。そう思った時にちょうど看護師さんが来てしまって、俺は検査に向かった





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