. ページ19
.
黄side
震えた声で、莉犬から電話が来た
大変混乱していた莉犬からちゃんと聞き取れたのは「黒猫」「さとみくんが…!」「俺が悪い」ということ
電話越しに救急車などの音がして大きな何かが起きているのは分かった
必死に冷静を保って、他のメンバーに電話をしてすぐ救急隊の方が教えてくれた病院に急行した
.
「 莉犬、!大丈夫? 」
病院に着き、看護師さんに聞くと莉犬の居る病室を教えてくれたので向かった
「 ぁ、るぅちゃん……、 」
色々な所に包帯を巻き、検査着を着た彼は疲れきった顔で僕に微笑む
「 、その子が助けた子? 」
「 うん…黒猫 」
莉犬は膝の上に小さな黒猫を抱えていた
.
「 ぁ、るぅとくん着いたんだね 」
病室の扉が開き入ってきたのはジェルくんところちゃん
「 はい、2人はどこに? 」
「 僕らさとみくんのとこ行ってきた 」
「 さとみくん、どうなんですか!? 」
「 …ちょっと外、 」
ジェルくんはそう言いながら僕に目配せする
多分莉犬に気を使ってのことだろうな
「 莉犬ちょっとまっててね 」
廊下に出て2人について行く
「 、さとみくんのこと聞かせてください 」
「 うん… 」
ころちゃんの目は赤くなってて、泣いたことが分かる
「 命は一先ず無事やって… 」
ジェルくんが一言一言紡ぐように口を開いた
「 そっか…良かったぁ……」
「 うん。さっき手術終わって、今ICUに居る。けど頭強く打ったらしくて、いつ起きるかは… 」
「 、え? 」
「 …、っ、もう目覚めないかも…って、 」
ころちゃんがポロポロと涙を落としながら言った
.
「 …やだ、 」
色々な思い出が頭を巡り、自然に涙が溢れていく
抑えようとしても、堪えようとしても、無理で
上を向いてただ、手で落ちてくる涙を拭うことしか出来ない
「 さとちゃん、見に行く? 」
「 ん、行きたいです… 」
必死に涙を堪えている顔をしているジェルくんが優しくそう言って、ICUまで連れてきてくれた
さとみくんは大きな機械をつけ、頭に包帯を巻いて眠っている
「 さとちゃんは、絶対に起きてくれるはずや。こんなところで終わる奴やないやろ 」
ジェルくんのその言葉に、僕は深く頷く
涙をぐいっと拭って、笑顔を作って莉犬の病室に戻った
.
77人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らふのすけ(プロフ) - しゅあ。さん» アルメリアって題名の意味もあるから調べてみてw 桃さんからの皮肉です😓 (2022年12月7日 1時) (レス) @page39 id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
しゅあ。(プロフ) - なんかゾクってするこの話。 (2022年12月6日 2時) (レス) @page40 id: 1a1d4d0288 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - 1000さん» えぇぇぇ!1000さん!!お久しぶりです(〃▽〃) ほんとですか!?めちゃ嬉しいです💪🏻めちゃ活力湧きましたわ🧡 (2022年12月6日 1時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
1000(プロフ) - 実はめっっっちゃ読んでます。素敵だし繊細で、らふさんって感じで大好きです😌 (2022年12月6日 1時) (レス) @page36 id: c9c3bdbfa2 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - しゅあ。さん» しゅあちゃんいつもありがとぉぉぉ(」^o^)」 (2022年11月30日 21時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らふのすけ | 作成日時:2022年11月13日 0時