隣の席のあいつ【桃】

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『 料理、よく作るの？ 』


彼の大きな目には、すごく魅力があると思うんだ

まるで宝石みたいにキラキラしていて、見続けると吸い込まれてしまうかのような強い光を放っている気がする



そんな目に、しっかりと映る自分を見ながら彼の質問に答える






「 お弁当は自分で作るようにしてるの。両親仕事で忙しいから 」

「 家族の分のも作ったりするんだって。偉いよね、A 」



私をよいしょするかのように紅葉が言葉をつけ加える






「 やめてよ、w 」

『 うん、偉い 』



そんなの当たり前じゃね？とか

女なんだから料理ぐらいできて当然だよな、とか言われると思って突っ込む準備していたのに、


私の耳に届いた男らしい声は確かにそう言った







「 、え？w 」

『 料理できる人いいなぁ。俺お嫁さんにするなら絶対そういう人がいい 』



腕を組んで、うんうんと頷きながら彼ははっきりと言う





え？なんですか？私を誘ってるんですか？


勘違いさせて、あとで落として笑ってやろうとか思ってるんですか？







「 、っ… 」

「 じゃあさとみくんのタイプってことか！Aは！ 」


なんて、急にテンションの上がった紅葉は大きな声で言った





「 、っ、は？ 何言ってんの紅葉！やめてよぉ。ねぇ、さとみくん 」

『 …うん。それはないね 』




はぁ〜？

いやそこはお世辞にもちょっとはタイプですみたいな雰囲気出すとこじゃないの？さとみさん！







『 だって俺、巨乳派だし 』


彼は、手で胸の前に大きく半円を描きながら言う





「 ったく、ほんと最低 」


そのヘラヘラした顔が1番ムカつく







『 まぁまぁ。でも、このお弁当はマジで美味しかった！冗談抜きに俺の母親超えてる最高 』


そう言って彼は私の前にグーサインを出してキラッと笑った








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「 さとみくんってさ良くも悪くも本当に素直だよね 」


彼が、席から離れたあと紅葉が呟く






「 はいはい、どうせ私は貧乳ですよ 」

「 ちがっ、そういう事を言ってるんじゃないってw 」

「 紅葉まで私の容姿いじるんだ 」

「 Aはすごい可愛いよ？ 」

「 はいはい、 」




いいですよ、どうせ私はさとみくんに女として見られてないんですから





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