ほっとらて【短編集】

最終列車【赤】 ページ13

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最終列車の雰囲気は結構好き



席は空いてるし、先程まで仲間たちで騒いでいた人達が静かに眠ったり携帯を触ったり


動物みたいに酒に溺れる人達が、家に戻る数分で人間に戻る様子が見ていて面白いから








席に座って、自分もほろ酔い気分のままぼーっと前の席を眺める






駅に止まって、ドアが空いた



前の席に座った赤髪の男性



派手な服を着ているけど纏まっていて、嫌な感じはしない






眺めすぎたのかチラッと顔を上げた彼と目が合ってしまって目を逸らした



下を向いていると見えなかった目



大きくて、二重で、なんか少しセクシーな目をしていた









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ガタンゴトンと電車は走り続ける




何やら視線を感じて顔を上げると、さっきの青年と目が合った








なんかじっと見ているな…と少し不思議に感じる



顔に何かついてるのかな？



携帯の黒画面で確認してみるけど、そんなことはなさそう






あんまり見すぎてると怖いなと、思って気にしないように携帯に集中した











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「 次は〜○○、○○〜。お出口は左側です 」



最寄り駅に到着して、電車を降りる


さっきの彼は、まだ電車に乗ったままだ








ドアが閉まり、電車は遠く暗闇へ消えていった




遊んでいた都会より、幾分か寒く感じる


人もいないし、早く帰ろうと足早にホームを歩く










『 ……あの、！ 』



突然後ろから声をかけられ、振り向いた


今このホームには私しかいないはずなのに…








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