◇ ページ38
時がめぐって、大学一年生の頃。
前期日程の試験で合格した私と、なんとか後期日程まで粘った雅紀は、晴れて第一志望の大学へ通えることとなり、
大学付近の赤レンガが映えるアパートに入居を決めた。
A「…だからって、お隣さんってどういうことよ」
雅紀「え…俺が聞きたいもん…」
引っ越し蕎麦を作ったという鍋をちらつかせてきた雅紀に入居したアパートを尋ねたら、隣の部屋だという。
そのことを凛子に電話で愚痴ったこともあった。
――――ははははっ！！！！
電話越しで笑いが止まらないようだ、ずっと笑っている。
凛子は、元々生まれが福岡だったため、福岡の大学の理工学部へと進学した。
今は親戚の家へ居候しながら、通っているという。
A「いや、笑い事じゃないからね…」
――――いやいや、ごめんごめん、
もうここまできたら、大魔王のお導きも信じ切っちゃうわ
大魔王のお導きってなんやねん
A「いや、導きどうのはいいのよ…
志望校と言い、アパートと言い…人生から雅紀は切っても切り離せないようね…」
頭を抱えてしまう。
そりゃあ、私は生粋の少女漫画で育った身だから、
そういう運命とかっていう、御伽噺に惹かれなくもないけれども…
大体、もうある程度の酸いも甘いもかみ分けてきたつもりだから、過信するなんて
愚かなことはしない
――――ひゅーひゅー、付き合っちゃえよ。
A「あのねぇ、男女交際というものはそんな軽々しくするものではないのよ」
――――運命とか、偶然、必然とかで溢れた恋は悪くないと思うけどね〜
私は羨ましいよ、と凛子に言われたけれども、
その時にはうまく納得が出来ずに、言葉の深い意味もくみ取ることもできず、
軽くあしらっていた。
そして、大学生活の中でも雅紀の姿は溢れていて、どんな季節も廻り巡って
雅紀の落第の危機という、絶対絶命の時期も難なく乗り越え(？)、
就活の時期へと差し掛かり、あまり遊べなくなってきた私たちは、
たまに時間を作って、会えば、いつもリクルートスーツに居酒屋だった。
雅紀「ビールの旨さが徐々にではあるけど…わかってきた気がする〜…」
A「いや、それ分かってない顔〜」
苦そうな顔をして、笑う雅紀。
こうやってアルコール飲料を交わすまでには大人になったんだと思うとしみじみする。
以前と変わらない友達関係のままな私と雅紀は、
どんなに時が経っても、一歩も進まず、ただ居心地の良さに縋ってずっと一緒にいた。
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〇パ→セント(プロフ) - ともさん» とも様♡続編へと参りますのでぜひご覧ください😭二人を幸せにしてみせます♥！！！ (2022年2月16日 1時) (
レス) id: 7d09c06b1c (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - え、えー💦「だった」って過去形？😭 (2022年2月16日 0時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卵かけご飯(現0パ→セント) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/eggandrice1/
作成日時：2016年12月27日 23時
