Prologue 06 ページ7
｢なぁ…あいつだよ…サッカー部破ったやつ…｣
…こえぇ…
その一言だけだった。
廊下を歩くとひそひそという話し声が痛いほどこちらに突き刺さってくる。あの試合はあっという間に広まったようだ。聴覚は結構いい方なので聞こえなかったりもするが、殆どは聞こえる。…そして1番辛いのは、自然と生徒が離れていくことである。真ん中だけがぽっかりと空いており、そこを通るしかない。だって、端通ったら変な目で見られたから。
尊敬する人もいたが、なんであいつが、と言う感じで嫉妬している人もいる。人を思うのはそれぞれだとは思うが。
これで一躍人気者だね…よかったね！
いやよくねぇわ。大問題だわ。
教室に向かうがあまり人がいない、からっぽの教室だった。ため息をつきながら座ると、シャープナーで鉛筆を削りながらこれからのことを考え始めた。部活のスケジュールを貰って見てみると、殆ど毎日だ。削り終わった鉛筆で、スケジュール帳に書き足していく。用事が重なったりしているので、管理しなければならないな、と羊希は思う。そして、サッカー部のスパイクとか、サッカーボール。そこら辺頑張らなければ。お金は貯めてはいるが…使いたくないのが事実。旅行とかに行きたいと思って貯めていた。だが、そんなことはいってられないだろう。部費は免除されないと思うし、貯金や稼いだ金で払っていかなければならない。了承してしまったといえ…どうしようか。頭を悩ませた。
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作者名：Rollo | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kandada/
作成日時：2019年10月28日 18時
