美少年拾いました。

8話目 ページ8

いつもなら1人分の料理が余裕で並ぶテーブルが今日は少し小さく感じる
まあ、ただ単に2人分の料理が並んでるからなんだけどね
オムライスにインスタントのスープを付ければ立派な晩ごはんの出来上がり
向かい合わせに座って、手を合わせて……

「「いただきます」」

まずはおぎのくんがどんな反応するかが気になっておぎのくんの一口目をじっと見つめる
しかし、美少年はオムライスふーふーしてるだけでも絵になる
猫舌なのかそこそこの時間ふーふーした後小さめな一口
もぐもぐと咀嚼しつつも表情は緩んでて……うん、気に入ってくれたみたいだ

「優さん、オムライスとっても美味しいです」
「そう、なら良かったよ！」

にこにこ笑いながら二口目、三口目とスプーンが止まらないおぎのくん
よっぽどお腹空いてたんだなぁ、と思いながら食べ進める私

「「ごちそうさまでした」」

まさか食べ終わるのが同時、しかもごちそうさまでしたの声まで同時とは思わなかった
さて、後は食洗機に食器を放り込んで、お風呂に入って、歯磨きして寝るか
その間おぎのくんには好きなことしててもらおう。
別に見られて困る様な物もないし、漫画もゲームもそこそこあるから暇つぶしにはなるだろう

「おぎのくん、私がお風呂入ったりしてる間好きなことしてていいよ。あ、寝るならベッド使ってね」
「優さんはどこで寝るんですか？」
「お客さん用の布団があるからそれ使うよ〜」
「その、こんなに良くしてもらっててベッドまで使うの申し訳ないので俺が布団借りてもいいですか？」


おぎのくんめちゃくちゃ優しい！
え、こんなに気遣い出来る子そうそう居ないよ？
私、今ちょっと感動してるよ

「気遣わなくてもいいけどそういうことならお布団出しておくから好きな方で寝てね」
「はい、改めて今日からお世話になります」
「ふふ、こちらこそよろしくね」

9話目→←7話目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す