＜シモン編＞復讐者にトリップ！三人そろって復讐者特攻部隊！…てか名前変えてホント！【２】 (ページ21)

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幕間の物語『バタフライエフェクト・白』ページ21

───話を聞いたのは本当に偶然のことだった。

夢を見た。

夢を見た。

───理想を遂げた/最後は虚しい、夢を見た。

幾十幾百、千、万、億。あるいはそれ以上の自分(他人)の夢(希望)にして、しかし今の自分(僕)にとっては意味を為さない夢(虚無)。

所詮は夢だ。なんて切り捨てる気は欠片もなかった。

断言できる。夢が現実になったとしたら、それでも僕は満足なんてしないだろう。

だから、自分の合わせ鏡のような少年に。未来の自分を、否、自分の妄執を焼き尽くしてくれた大空(ライバル)には、怨みなんてものはなかった。

むしろ、全力を出しきり、その上で完敗した自分が少しばかり羨ましいと思った。

───もう一人の大空に、今の僕は救われた。

───そして合わせ鏡の大空には、未来の僕が救われた。

未来は確立していない。だからといって、忘れたりなんかしない。

───だから何かをしたかった。
もう一度あの少年と関わりたい、という打算もある。
今度は顔ではなく背中を向け合うのも面白そうだとも思った。

他人と違う僕ならば、何かできるんじゃないかと、そう思って。

───だから驚いた。まるでそんなのお見通しだ、と言うかのように。

───彼女は現れた。

真っ黒なローブに身を包んでいるせいで、どんな顔かはわからない。だがそれよりも見逃せないものがある。それは───

「───山本君」

「───貴方に頼みがある」

「彼を聖地へ連れて行ってあげてほしい」

「───いいよ。僕も彼を探してたしね」

「･･････何も、聞かないのだな」

「聞いたら教えてくれるのかい？」

「･･････｣

｢でしょ、だからいいよ。それより山本君の怪我はどうなんだい？｣

｢完治とは言い難い。けど、ある程度はもう動ける筈だ｣

｢ある程度、ね。わかった。起きたら一応釘を指しておくよ｣

｢･･････礼を言う｣

｢お互い様だよ･･････だから、教えてあげる｣

｢え･･････？｣

｢───慣れないことはしない方良いよ」

「──────！」

「所々でメッキが剥がれてるからね♪」

「･･････どっちかって言うとボケ要因なんだよね、私」

｢ハハッ、だろうね♪」

やっぱ合わないかー、なんて言いながら彼女は去った。
僕は山本君を連れ空を飛ぶ。起きたらどんな顔をするか少し楽しみだ。

でもそれ以上に。

(君の顔を見たいな、綱吉君♪)