39話 ページ42
あれから三ヶ月
わたしはついに覇王色、見聞色、武装色のコツを掴んだ
あとは、ひたすらに磨くだけ。
じつは意外なことに、泊まり先のダダンと仲良くなった
予想外に彼女は面倒見がよくて、突き放したかと思えば隠れて何かしている
山賊とは分かっているけど、なぜか仲良くなってしまった。
…わたしの中で
この人とはこれからも付き合いそうだ、という直感が当たりそうでしかたない。
「Aィ!そっち洗い終わったかい!」
「うん、終わって一息ついているから早く来て
あなたが来てくれなきゃ話が始まらない」
「相変わらず生意気なガキめ
!お茶のみながら、んなでかい石持ち上げる馬鹿いるか馬鹿!」
「今日のワニをとってきたのはだれ?」
「スミマセン」
と、こんな感じ
父さんは仕事で時々しか来れないから、コツをつかんでからは自分で訓練するしかない
いまわたしは森の中でずっと見聞色をしつづけている、かなり体力のいる作業だ。
…父さんがいない間に、あの不思議な力の訓練もしていた
中くらいの津波を起こせるくらいまでには操れるようになっている。
…しかしあの歌はもう聞こえない。
歌にあった貝殻も…そこらに落ちているものではなさそう。
森の中で見聞色を広げると、たくさんの獣たちが周囲に確認できる
「さて…ちょっと、ごめんね
修行の成果、ためさせて」
集まってきたクマ、トラ…その他もろもろの獰猛な生き物達に近よる
…『『覇王色』』
いつかの覇気よりもずっと広くドーム状に展開する。
息を吐いて、倒れた獣たちを見る
「…これじゃあひとつ試して終わりだな
武装色は、強度をきたえるのと、帰って…おつるさんあたりに見てもらうとして
見聞色はこのままつづけて…
…後は……」
たおれた獣たちの隣で、わたしは両手を広げた。
少し前の動物とは比べ物にならない
巨大な水龍が姿を現した。
気づいたことがある。
覇気の修行をしているうちに、この力も強くなっていくことを。
体力、集中力も高まってうまくいっているのかもしれない。
ーーー
no-side
大きく腕を振り上げて、美しくその海の化身を踊らせる
その様子はまさに 舞
美しい舞踊を踊ることで、その化身はさらに美しく舞った
「…綺麗だね、君は。
透明で…
わたしとは違う
綺麗だよ、君は。」
物が落ちる音がした。
「…は…
A…?」
「と、うさん」
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作者名:ひはる x他1人 | 作成日時:2017年7月28日 18時