37話 ページ40
しっかりと手首にブレスレットを結びつけたあと
二人はAに目線を向けた。
彼女は窓へ目を向けていて、その向こうの海を眺めているようだった。
「…ガープおじさんにも話さず、あなた達に最初に話したのは
あなた達がわたしの後にいてくれるから。」
「え…?」
「あなた達が…ただ、わたしの強さだけを、したってくれると、思ったから。」
二人が、風を受け、光を受け、輝くAに見惚れる中
彼女は二人の目を見て言った
「ねえ…鬼ごっこって、何だか知ってる?」
ーーーーーーー…
「…大丈夫だろうか、お嬢。」
「きっと、今回でガープさんにも打ち明けるんじゃねえか
…出発する前、そんな感じがしたんだ」
書類に目を戻しながら、ギルバートは呟いた
「全ては、あの人のままに。
これから起こりうることも、あの人の下で。」
ーーーコルボ山
「…ほら、こっちだ!!
違う!
そうだ…!…!!
そう……そう!!」
していた目隠しを外されると、勢いよく抱き上げられた
「凄いぞ〜A!!やはり天才だ!たったの数日で見聞色の覇気のコツをつかむとは!!
この分だったら本当に半年で全部の覇気を身につけられそうだっ!」
この人に頭を撫でられて悪い気がするはずない。
思わず顔が綻んだ
それを見た父さんはさらに嬉しそうな顔になって、また頭を撫でた
「もっと、もっと知りたい。
自分が強くなっていくのが、こんなに楽しいなんて知らなかった
強くなって…強くなって!」
「どうなりたい?」
スッとおろされたわたしは目を見開いていた
どうなりたい…?
そりゃ…
「みんなを守りたい、守れるような、強さがほしい」
「お前自身は?…一般市民が平和に過ごせるようにする。それは確かに海軍の仕事だ
お前自身が、どう成りたい」
わたしがなりたいもの…
わたしはもう海兵、位なんて後からきっとついてくる。
……本当にそうかな。
強力な海賊の娘。
力があろうと、たとえば最高戦力の大将になんて、昇格させてもらえるのだろうか
…みんなを守りたい。
他人だけじゃない、海軍までも守りたいんだ
きっとわたしは、家族であれば
大っ嫌いな、海賊までもまもるだろう
…その人たちまでも守れるのは、どの位?
前線で戦えて、もっとも位の高いところ
…ー大将だ。
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作者名:ひはる x他1人 | 作成日時:2017年7月28日 18時