検索窓
今日:15 hit、昨日:10 hit、合計:175,784 hit

31話 ページ34

戦場に降り立てばそこは既に激しい戦闘の真っ只中。


倒れている海兵もちらと目に入る。



二人はそれに目を背け、どこからか聞こえる彼女の声を必死に探した



「マシューー!ギルバート!


北西に向かえ、そこに居る!自分の戦いを!!!」





馬鹿にしていた年下の上司に、今はどこか縋っていた




新兵の中で優れているふたりはすぐに調子を取り戻し、敵を切り倒し殴り倒し


彼女の元へと向かった





ーーーーーーーーーー


「その後に起こったんだ、俺達が真にあの人を尊敬し…そして、今も後悔する出来事が起こったのは…」



ーーーーーーーーーーーーーーー



敵を倒しながら彼女の元へたどり着いた時


二人はまた唖然とした







彼女の周りに、数十という海賊の山が積み上がっていたからだ。



今も彼女は戦闘中で、屈強な男3人を相手取っていた





「つ…えー…噂には聞いてたが…」


「え、え……生で見たのは…初めて…で」




3人のうち2人を倒し終わったAは、仮の部下達が来たことに気づいた




そして…、戦慄する。






「…っ二人共!後ろ!かまえて!!!」




二人が振り向きざま目端に見えたものは






自分たちに向かって大太刀を振りかざそうとする…その海賊団の




船長だった。









そして、2人が振り返り切ったその時、目の前にしっかり捉えたものは









いつ来たのか分からない…6歳の少佐が




自分たちに向けられた大太刀を…その小さな身体で



血飛沫を飛ばしながら受けている瞬間だった。





自分たちがお嬢様と嘲笑った



幼く気高い彼女が…



「「っ…っお嬢っ!!!!」」


不意に出た言葉、これは決して、罵倒の言葉ではない




しかし目を見張るのは次の瞬間でもあった







「ぐふ…っ」

血を吐きながらも、彼女は倒れなかったのだ。



二人は、彼女が先程まで戦っていた男を見た



その男の首には刀が刺さっていて、既に倒れていた







「はな…離れてて。マシュー、ギルバート…



こいつで、最後…っ」

「しかし!!あなたの傷じゃ!!」



尚も構えるAの後ろ姿に、二人はもう何も言えなかった。


Aに刃をくい込ませた船長は、醜く歪んだ笑みを浮かべ下劣に笑った。

「まじだったか!幼女が海兵やってるって!
過保護にされてるらしいなぁ


お前をそのままやりゃあ賞金上がっかねえ?!お嬢ちゃん?」




その男は気づかない









静かな龍は…もうすぐ、目を覚ます。

32話→←30話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.9/10 (61 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
165人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ひはる x他1人 | 作成日時:2017年7月28日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。