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24話 ページ27

「…え?」

乗せられた手に意識がいっていたが、彼女にとって意味のわからない言葉が飛び込んだ。


「だから!俺のことは、父親と思って呼べ!
呼び方はどうでもいい!」
「え…でも…」

「でもも何もあるか!お前は俺の娘なんだから、なんにもおかしいことはないだろう」


Aはまた混乱した。


「…わけわかんない…そんな…だって仮にでも…わたしは…


…。」

頭に浮かぶのは新聞に酷評される海賊の実父。


Aは目を逸らした。

「…麻酔が効いてきたから寝るね。

…おやすみ









と、父さん」

「!!」


覆うように抱きついてきたガープにAは叫び、看護婦たちは怒りの声を上げた。



「ちょっとガープさん!治療の邪魔ですよ!」


「少しくらい良いだろう!やっと娘が呼んでくれたんだ!」



「娘…」


Aはすこし放心して、それから少し頬を赤らめた。


騒ぐガープの声を聞きながら、彼女は微笑んで眠りについた。









ーーーーー…



「なあ、村長?」

「なんだ。」




静かに眠るAの頭を撫でながら、ガープはマキノを抱えた村長に話しかけた。

「もしも、その赤ん坊のマキノが、自分とこ以外預かるところが無かったら


…お前は、血に濡れ…自由を一生制限される生活をさせてでも自分のとこに置いておくか?」


村長は一瞬唇を結んで、ガープの方を目だけで追った。


「……多分、置かないな。



…だがガープ、あの子とは状況が違うだろう。

彼女はあのゴールド・ロジャーの娘。
村に置いても、噂を聞きつけたお前んとこの奴らが捕まえに来るだけさ


…結局海兵に育てるのが、あの子の人生にとっては1番なんじゃないか?」


Aを撫でる手を止めたガープは、グッと俯き

顔を歪ませた。



「…っあの子はきっと、天性の武人だ


海賊であれ、海軍であれ、いずれ大物になるだろう


……でも、この村にいるAは…今まで見た中で、1番その歳の娘らしかった。」

「……」


「もしかしたら…別の人生だってあったんじゃないか??


…ロジャーは自由な男だ、母親の『セーラ』も……ああ、大層のびのびとした船旅を好んだのだろう

預かったこの貝のペンダントが物語っている

そやつらの娘がこの束縛を耐えられるだろうか?」



目は少し潤んでいた



零しはしない、彼も一組織の幹部だ。





村長はガープから視線を外すとため息をついた


「まあまず、Aと話すのが一番だ。」

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作者名:ひはる x他1人 | 作成日時:2017年7月28日 18時

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