12話 ページ15
少し歩いた先の貧相な小屋にドフラミンゴと共に入る。
そこはかつての天竜人が暮らしていけるとは思えない環境だった。
中央のベッドには苦しそうにしている女性
その傍らにドンキホーテ・ホーミングが膝立ちに佇んでいた。
一目病状を確認した彼女は、その重さに焦った
「！…君は」
「ホーミングさん、お久しぶりです
息子さんが案内をしてくれました｣
｢ドフィが…｣
｢……この状態だと
完全に治すことも…今の医療じゃダメです
でも、今より少しだけ、いのちを延ばすことはできます」
ホーミングさんは、悔しそうに唇を噛んだ
「…それでもいい！やってくれ ！！」
｢ホーミングさんには、恩があります。
今、できること全部やりきります！｣
腰につけていた大きいポーチから、あらゆる医療器具と薬品を取り出した。
ーーー
…あれからどのぐらい時間が経っただろう
外は日が落ち始めている
つたう汗をぬぐってAはため息をついた。
「……わたしにできることは、ここまでです
…ごめんなさいっ」
ホーミング聖とドフラミンゴはAの方を、きょとんとした目で見ていた
「なんで謝るんだえ！！…母上を助けてくれたのはお前が初めてだえ」
「ああ。つかの間だとしても、妻の事を助けてくれて本当にありがたいと思っている。」
「わたしはこれ以上手助けできないんです
このことに手を出さないよう、いわれてて
…ほんとうにごめんなさい」
ホーミング聖は彼女の頭を、いつかのように撫でてくれた
「…！そういえば、ロシーはどこだえ？」
過去にホーミング聖が話していた、同い年の男の子だろうとAは思い出す。
「出かけたのだよ、そういえば遅いな…
少し心配だ、ドフィ探しに行ってくれないか」
ドフラミンゴはピクリと眉を動かした
訝しげな表情。
Aは、彼が父親のことをあまり好いていないのではと考えた。
Aにとっては羨ましい限りの素敵な父親だが、口に出しはしない。
自分もそうであるように、人それぞれの家庭事情というのはあるのだ。
「…わたし、行きます。
ドフラミンゴ、でるなら途中まで一緒に行こう」
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作者名：ひはる x他1人 | 作成日時：2017年7月28日 18時
