検索窓
今日:28 hit、昨日:3 hit、合計:141,529 hit

308夜*お前だけが息子ではない ページ12





羽衣狐side





茶でも飲みながら晴明と懐かしい話をする。



そして晴明に問うた……




どんな世界を作るのか、と。






晴明は平穏な世、美しい世だと。

秩序ある世界、下らぬ生物もおらぬ棲みよい社会だと晴明は答えた。








羽衣狐「ホゥ…なんというか、世迷言にもきこえるのぅ。

魂魅を喰らって何か変わったか?」








晴明「いいえ…母上。現にこの私が千年前作りあげましたからね。

私に寿命があれば…今もその世は続き、魂魅も我がものにしていたでしょう」






羽衣狐「フフ…すごい自信じゃな」









晴明「いいですか母上…弱いことはおろかで醜いことだ!おろかな奴はおろかな行動に走る…だからいらぬ!




母上が死んで知ったのですよ…この世は強く正しい私こそが全てを調整せねばと。

だから私は強くあり続ける。そのために、母には死んでいてもらわねば困るのです。




しかしおかしいですな…あなたを落とした闇は深く、本来ならはい出ることはかなわぬはずだ」







そう考えておったか……だがな









羽衣狐「それは違うぞ、晴明」



晴明「!?」







妾は尾で晴明のカップを弾き飛ばすかのように落とした。








羽衣狐「どうやら…妾の教育が間違っていたようじゃ…」




晴明「母上…?」









羽衣狐「晴明や、千年生きると……全ての移り変わりが見える。人のおろかさも…死も生も妖もな。



のう晴明や…お前のゆうておることもわかる。

だがな…お前のやり方では狂骨たちが助からんのう?妾のかわいい京妖怪たちは…どうなる?」







この会話は…妾の京妖怪たちに聞こえておるはずだ。









羽衣狐「お前だけが息子ではないのだ、もう………」







もう晴明だけの母ではいられなくなった。






309夜*母→←307夜*私と私



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (67 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
148人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

黒なっち(プロフ) - ドールさん» 私も書いてて泣きそうになりました。ありがとうございます!! (2018年9月3日 7時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
ドール - ヤバかった泣きそうになったあとこの作品サイコー (2018年9月3日 3時) (レス) id: f336219b49 (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - ちゃんみおさん» 私も悲しいですが、書いてて楽しかったです!ありがとうございます! (2018年7月27日 12時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんみお - 完結おめでとうございます!もう終わっちゃうのは悲しいですが、面白かったです!次の小説も楽しみにしています! (2018年7月27日 12時) (レス) id: 74d2f3a1e1 (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - rukiさん» 最後までありがとうございます!!たのしんでいただけてよかった! (2018年7月26日 8時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:黒なっち | 作成日時:2018年7月22日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。