308夜*お前だけが息子ではない ページ12
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羽衣狐side
茶でも飲みながら晴明と懐かしい話をする。
そして晴明に問うた……
どんな世界を作るのか、と。
晴明は平穏な世、美しい世だと。
秩序ある世界、下らぬ生物もおらぬ棲みよい社会だと晴明は答えた。
羽衣狐「ホゥ…なんというか、世迷言にもきこえるのぅ。
魂魅を喰らって何か変わったか?」
晴明「いいえ…母上。現にこの私が千年前作りあげましたからね。
私に寿命があれば…今もその世は続き、魂魅も我がものにしていたでしょう」
羽衣狐「フフ…すごい自信じゃな」
晴明「いいですか母上…弱いことはおろかで醜いことだ!おろかな奴はおろかな行動に走る…だからいらぬ!
母上が死んで知ったのですよ…この世は強く正しい私こそが全てを調整せねばと。
だから私は強くあり続ける。そのために、母には死んでいてもらわねば困るのです。
しかしおかしいですな…あなたを落とした闇は深く、本来ならはい出ることはかなわぬはずだ」
そう考えておったか……だがな
羽衣狐「それは違うぞ、晴明」
晴明「!?」
妾は尾で晴明のカップを弾き飛ばすかのように落とした。
羽衣狐「どうやら…妾の教育が間違っていたようじゃ…」
晴明「母上…?」
羽衣狐「晴明や、千年生きると……全ての移り変わりが見える。人のおろかさも…死も生も妖もな。
のう晴明や…お前のゆうておることもわかる。
だがな…お前のやり方では狂骨たちが助からんのう?妾のかわいい京妖怪たちは…どうなる?」
この会話は…妾の京妖怪たちに聞こえておるはずだ。
羽衣狐「お前だけが息子ではないのだ、もう………」
もう晴明だけの母ではいられなくなった。
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黒なっち(プロフ) - ドールさん» 私も書いてて泣きそうになりました。ありがとうございます!! (2018年9月3日 7時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
ドール - ヤバかった泣きそうになったあとこの作品サイコー (2018年9月3日 3時) (レス) id: f336219b49 (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - ちゃんみおさん» 私も悲しいですが、書いてて楽しかったです!ありがとうございます! (2018年7月27日 12時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんみお - 完結おめでとうございます!もう終わっちゃうのは悲しいですが、面白かったです!次の小説も楽しみにしています! (2018年7月27日 12時) (レス) id: 74d2f3a1e1 (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - rukiさん» 最後までありがとうございます!!たのしんでいただけてよかった! (2018年7月26日 8時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒なっち | 作成日時:2018年7月22日 12時