番外編*時雨と桜花8 ページ49
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桜花「そうだ!ずっと伝えたかったことがあるんです!」
夜叉「?」
桜花「名前…「時雨」なんてどうでしょう!?」
夜叉「しぐれ?」
桜花「あなたに会えない間、降ったりやんだりする小雨が降っていました。そこでふと思いついたんです」
だから時雨か…
夜叉「……悪くない」
桜花「え?」
時雨「もういい…時雨とでもなんでも呼べ」
桜花「では時雨!」
小娘はぎゅっとオレの手を握った。
桜花「私とお友達になってください!」
夜叉「…は…?いや、オレは妖怪だ…」
桜花「だからなんですか?雪崩だって私のお友達ですよ!家族ですが!!」
友で家族…おかしすぎる。
だが…
こいつから伝わってくる。
こいつは人も妖も…大切な存在なのだと。
時雨「……桜花」
桜花「はい!やっと呼んでくれましたね」
時雨「いい名だと思っただけだ」
桜花「それでも呼んでくれました」
笑うこいつの手を…振り払えない。
時雨「桜花よ…もう一度聞くぞ」
桜花「はい」
時雨「オレが怖くないか?」
桜花「はい、怖くないです」
笑顔で言う桜花の言葉に、嘘偽りもなかった。
雪崩「よかったな時雨よ」
時雨「なっ!?お前いつのまに…」
桜花「雪崩!」
雪崩「桜花、よかった、無事でなにより……礼を言うぞ、時雨」
時雨「……」
雪崩「時雨、もし行く宛がないなら…我らと来ないか?」
時雨「は?」
雪崩「強制ではない…お前が決めるんだ。来たくないならいいんだ」
アホめ…
そんなの決まってる。
時雨「いいだろう。お前らと一緒にいてやるよ」
桜花「本当ですか!?やったぁぁ!!」
飛び跳ねた桜花はオレに抱きついた。
地味に痛い…
桜花「では今日から時雨は家族ですね!雪崩」
雪崩「そうだな…」
時雨「家族…」
雪崩「では帰るぞ」
桜花「帰りましょう時雨!」
時雨「帰るって…あ、おい!そんなに引っ張るな!」
グイグイとオレの手を引く桜花。
だが悪くなかった。
この小さな手を、オレは優しく握り返した。
これが桜花との出会いだった。
誰にも心を開かなかったオレが、初めて心を開いた人間…
オレはこれからも、こいつを……桜花を守っていこう。
桜花を狙う、魔の手から
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黒なっち(プロフ) - はあぁぁぁ〜〜!!!私もだ(キリッ) (2018年7月22日 9時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
玲音 - はっあ〜〜〜????好きです (2018年7月22日 7時) (レス) id: 89de5cc263 (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - ハルカさん» あれ…めっちゃお久しぶりです!!!ラストまで頑張ります!!! (2018年7月18日 19時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - 黒なっちさんお久しぶりですねもう少しで完結ですね頑張ってください (2018年7月18日 17時) (レス) id: f997f27417 (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - とぅんさん» はいぃぃぃ!!ありがとうございますぅ!!! (2018年7月18日 12時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒なっち | 作成日時:2018年7月16日 20時