桜よ歌え、舞え、美しく(葵螺旋城編)【ぬら孫・リクオ】第8章

番外編＊時雨と桜花4 ページ45

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なんで…








夜叉「なんでいるんだ！？」


桜花「会いに来ました」

夜叉「帰れ！！」







三日ほどたった。

そして今日、小娘がオレの前に現れた。









夜叉「消えろ。二度とオレの前に現れるな」




桜花「…なんでですか？」



夜叉「なんでもだ。オレは一人でいたいんだ」









桜花「……ひとりは…寂しいですよ？」






夜叉「はあ？」








何を言ってるんだこいつ…









夜叉「お前には妖がついてるじゃないか。どこが寂しいんだ」









桜花「私は…「人間」だから…」






夜叉「！」






桜花「みんなが側にいても、いずれ私は一人になります。みんなは妖怪、私は人間。過ごせる時間が違います」





夜叉「……」








そう、妖怪は成長しない。
姿も変わらない。





人間の命の方が短いんだ。






だから妖より、先に人間が死んでしまう。









夜叉「だったら…なぜ妖怪といるんだ」









桜花「家族…ですから」






夜叉「……家族？」








桜花「たとえ時間が違くとも…私にとってみんなは家族です。一緒に過ごした時間は変わらないですから…


だから、寂しい時がありますが、寂しくない時があるんです」







そう言ってこいつは微笑んだ。


一緒に過ごせない時間をわかっていながら、こいつはこの先も妖と共にいるつもりだ。








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