番外編・七夕3 ページ5
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貴《やっぱり思いつかない!!》
リ「おいおい…何でもいいんだよ…
Aの願いなんだから…」
私の願い、か……
う〜ん……
貴《笑わない?》
リ「ああ」
貴《…みんなの願いが叶いますように?
織姫様と彦星様が一緒にいられる時間が増えますよう…に?》
リ「……」
笑うなら笑ってください……
挑発的にリクオくんの方を見たが、リクオくんは思いのほか真剣な面持ちだった。
リ「……なるほどな」
貴《え?》
リ「何だよ?」
貴《だって…リクオくんのことだからお笑いになられるのではないかと思って…》
リ「失礼な奴だな…俺は嘘を吐く妖じゃねぇからな。
なんていうか、妙に納得しちまったんだよな。Aなら確かにそう願うだろうなってよ」
貴《私、なら?》
リ「いいことなんじゃねぇか?」
ポンポンとリクオくんは私の頭を叩いた。
リ「じゃあ、オレもこれはつけねぇよ」
リクオくんは2枚の短冊を取り出してヒラヒラと見せた。昼と夜のだろう…
その短冊には何も書いていなかった。
貴《……リクオくんも何も書いてないじゃない…》
リ「ああ、書いてねえよ?書かねーからな」
貴《「魑魅魍魎の主になる」とか書かないの?》
リ「馬鹿言え。魑魅魍魎の主ってーのはな、叶えてもらうもんじゃねぇんだよ」
空を見上げながら言う彼の表情は、ゾッとしてしまうほど美しく妖艶だった。
リ「自分の力でなるもんだ」
貴《ふふ…そっか……じゃあ私もこれつけない》
リ「…いいのかい?」
貴《今は、何もないから…次の七夕までに願い事を見つけるよ》
リ「そうか…」
貴《うん!…あ、リクオくん見て!晴れたよ!》
雨はもう降っていなかった。
幾多の星々が川のように連なっている。
どれが織姫で、どれが彦星なのかは私にもリクオくんにもわからない。
でも、確かに織姫と彦星が逢うことが出来たのはわかった。
それは幾多の光輝く星々が証明していた。
貴《なれるよ、リクオくんなら……魑魅魍魎の主に》
リ「嬉しいこと言ってくれるじゃねえか」
貴《そういえば…昼のリクオくんの願いは何?》
リ「言わねーよ。言ったら叶わないだろ?叶ったら言う」
貴《そ、そう?じゃあ…待ってる》
リ《楽しみに待ってて…A》
昼の彼の声が聞こえた気がした。
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黒なっち(プロフ) - はあぁぁぁ〜〜!!!私もだ(キリッ) (2018年7月22日 9時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
玲音 - はっあ〜〜〜????好きです (2018年7月22日 7時) (レス) id: 89de5cc263 (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - ハルカさん» あれ…めっちゃお久しぶりです!!!ラストまで頑張ります!!! (2018年7月18日 19時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - 黒なっちさんお久しぶりですねもう少しで完結ですね頑張ってください (2018年7月18日 17時) (レス) id: f997f27417 (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - とぅんさん» はいぃぃぃ!!ありがとうございますぅ!!! (2018年7月18日 12時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒なっち | 作成日時:2018年7月16日 20時