バットエンドじゃ終われない【ハリーポッター】 (ページ5)

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ガラスの靴は置いてきた　-2日目- ページ5

トムの声を聞いたAはビクッと体を震わせてこちらを向いた

「……あなた、リドルじゃない」

「こたえろ」

トムはAを睨んだ、普通の孤児院の子供ならトムが睨むと怯えるのにAは動じなかった。
印象的な琥珀色の瞳にトムの姿が写っていた。

「私は何者かって？A・セルウィンだけど？」

Aはキョトンとした顔をしていた

「とぼけるな、君が触れた瞬間、この花たちは咲いた」

「あぁ、そうなの！私が触れると花が咲いたり、木枝が踊り出したりするの！！」

琥珀色の瞳を輝かせてAが答えた。
隠そうともせずに嬉しそうに語るAの姿にトムは驚いた。それらのことは明らかに普通じゃないのに彼女は
隠そうともしなかった。

輝く琥珀色の瞳を見て彼女は演技で自分を騙そうとしていることはないことがわかった。

「君は"普通"じゃない」とトムはつぶやくと

しゃがんで枯葉を手に取ると地面に落ちていた枯葉を花に変えた

「それは僕もだ。僕たちは"特別"なんだA」

それからトムはAと過ごすことが多くなった。
純粋に自分と同じような人間を近くに置いておくと。
トムは気が少しは楽に感じた。

本のページをめくりながら見なかったがトムはAに話した。

「このクソの掃き溜めみたいだと思っていたけど、少しは違ったみたいだ」

「ふふふ、私はここがクソだとは思わないよ。
でも、神様は私たちをゴミと勘違いしたのかもね」

トムのベットに腰をかけトムに笑いかけながらAは語る。

トムは顔をあげて、Aを見つめた。

「僕たちはゴミなんかじゃない。A、いつかきっと来るんだ。僕たち2人が"特別な人間"であることがわかる日が」

そう語るトムの目は赤色がチラついていた。