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7話 ページ8

とん、とん







テンポの良い振動が、昔と重なる。





幼稚園の時、かなあ









.









「おかあさっ…うぅっ…」




「A?おかえり、どうしたの」




「ん…」




子供の頃、私は引っ込み思案な性格から周りと馴染めずにいた。



特別仲のいい友達がいたわけでもなく、居場所の作り方がわからなかった。



そんな私の唯一の拠り所。それが母だった。



悲しくて悲しくて、いつも泣きながら帰っていた私に母はこう言った。






「大丈夫、Aは強いよ、強い子。だってお母さんの子だもん。」







血は繋がっていなかった。養子で引き取られた家庭があそこだった。



でも、それでも私にとっては本当の母のような存在で。



不安な時、辛い時



決まって母は、優しくトントンと私の背中を叩いていた。

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作者名:なえ | 作成日時:2017年9月14日 17時

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