13話 ページ14
「んーと、じゃ適当にそこらへん座って〜」
「あっ、はいっ」
お茶を取りに行った彼方さんが言う。返事をしたものの、適当とはなかなか難しいものである。
一人悩んでいると、相川さんが自分の隣をぽんぽんと叩く。こ、これは…。
「おいで」
「…はい…っ失礼します」
いいのだろうか。こんなイケメンの隣に座ることなど、はたして許されるのだろうか。
そ〜っと座ると、ニコニコとしながらこちらを眺めてくる。
「ど、どうされました…?」
「いや、かわいいなあって」
不意打ちの発言すぎて、"うぇっ!?"なんて変な声が出る。咄嗟に片手で口を抑えて俯く。顔に熱が集まるのがわかる。
男性経験が全くと言っていいほどなく、免疫もほぼゼロの私にとっては衝撃が強すぎた。
ちらりと相川さんを見ると、こちらも頬を赤く染めている。
…いやいや、言ったのはそっちでしょう!?と言いたい気持ちを抑えて
「きっ、気にしないでくださいっ…」
と伝えると、「う、うん、ごめんねっ」なんて震えた声。どうやら自分でもあんな発言をしたことに驚いているらしい。…かわいい。
なんとも言えない空間に戸惑っていると、ちょうどいいタイミングで彼方さんが。ナイスです。
「お前らなにしてんの?」
「いや、なんでもないです!!」
私が答えるよりも先に、相川さんが言う。そうとう必死なんだと思うと、思わず笑いがこみ上げてくる。
「ふふっ」
そんな私に気づいた相川さんが「わ、笑わないでっ!」とまたも顔を真っ赤にしながら訴えてくる
…こんなに楽しいの、いつぶりだろう
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作者名:なえ | 作成日時:2017年9月14日 17時