呪術廻戦 [短編] ３

おみあい(七) 1 ページ48

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『ーーーまぁいいんじゃない？お見合いくらいなら…え？あぁー…いいよ。建人さんには話付けとくし…うん。はいはい、もうわかったから！じゃまた連絡するね』


盗み聞きするつもりはなかった。
任務を終えて恋人であるAさんの家へ合鍵を使い入れば''お見合い''という言葉を聞いてしまい開けようとしたリビングの扉を開けれず聞いてしまった。


彼女は電話を切った後盛大なため息をした。
ため息をこぼしたいのは私の方ですよ。


お付き合いしてもう数年…呪術師をしているからと言う理由で会えない日々も続くし、中々プロポーズまで進められずにいるのも事実…

彼女が他の人と幸せになりたいと思うのは自由だ。
そう思っていても離れたくない。失いたくない。永遠に一緒に居て欲しいと言う気持ちがの方が大きい。だからこそ彼女が「お見合いくらいなら」と言う言葉にグサッときた。


そんな事思いながらボーッと扉を開けずに居るとAさんが扉を開けてきた


『…あれ？建人さん来てたんですか？』


彼女はいつものような笑顔でそう言った
いつも通り。何事もなかったように振る舞う彼女に何故何も言わないのか何故いつものように笑って私の心を掻き乱すのか…そんな態度にイラッとしてまった。


『？どうかしました？』


七「…あなたは私が居なくても平気なんですね。なら終わりしましょ。一方通行なら一緒に居る意味がありません」


思ってもない事を口にしてしまった。


その言葉を聞いて固まるAさん。
そして数秒後にはその愛らしい瞳からポロポロと涙を流していた。
なんであなたが泣くんですか…正直泣きたいのは私なのに。


七「何故泣くのですか？あなたは私の事なんか…『私がいつそんな事言いましたか？！』？！」


今まで聞いた事のない大きな声で彼女は言った。


七「Aさん…？」


『…建人さんが終わりにしたいって思ってるなら私は何も言わず、あなたの前から消えます…でも！私は建人さんが居なくても平気だなんて事1度も思った事ないのに…勝手に私の気持ち決め付けないでください！！』


いつも優しくて温厚で笑顔が綺麗な彼女から想像もできない程の怒りだった。



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