Don’t let me fall in love! (Ar×In) (ページ37)

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side K.I

「おれ、おれね、」

伝わらない、もどかしい。

おれはだいちゃんのこと、嫌いじゃなくて。

「だいちゃんのこと、すきだよ。」

「……え？」

小さいその身長も、誰より綺麗なその声も、ぶさかわって言われちゃうような顔だって、

「すき、だから………つきはなさないで、ひとりにしないで、」

だいちゃんがおれから去っていった日。
だいちゃんの中のおれが、ただの幼馴染みに変わってしまった日。

どれだけ寂しくて心細かったか、人気者の君にはわからないよね。

「ちょ、いのちゃん、泣かないで……！」

「……っだいちゃん、すき…」

「わかったから、わかったから泣くなって……！」

支えてくれる腕に掴まって嗚咽を漏らせば、だいちゃんはぽんぽんと背中を叩いてくれた。

「ああもう、泣かないでよ。ってか、……いのちゃんも知ってると思うけど、俺、ばかだから、」

「……うん、」

「いのちゃんのことがわかるまで、……ずっと傍にいていい？」

いや今更だめとか言わせないけどね、と早口で捲し立てて、だいちゃんはおれの肩に顔をうずめた。

意外と照れてるのかもしれない、可愛い。

「とりあえず俺ん家行くよ、いいね？」

差し出された手を握ると、不満そうな顔で恋人繋ぎに変えられた。

「…………なんか、しあわせ。」

「いのちゃんの幸せは安いね。」

「…………期待しちゃいそう。」

「しとけって。
俺はいのちゃんのこと好きなんだから。」