検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:1,501 hit

復讐 ページ18

「復讐屋?」
「そう。詐欺師って言われることもあるかな」
「詐欺師!?」
「簡単に説明するとね、依頼されたらその相手に復讐するのよ」
「…ヒロさんは、違いますよね?」
私がヒロを見ると、彼は決まりが悪そうに目を逸らした。

「…。私は、やりません」
私は拳をぎゅっと握りしめた。
「詐欺とか復讐とか…やり方次第では犯罪ですよね!そんな…犯罪…。それに…復讐なんてしたって____」

『だから、鈴木さんは君の命の恩人だ』
『違う!』

『違う!そいつを引きずりおろせ!』
『ざまあみろ!』

「虚しいだけです」

私は涙を拭い、声を絞り出した。
「私…部屋に戻りますね…。おやすみなさい…」

私はベッドに倒れ込んだ。

復讐…考えたことはあった。でも実践は出来なかった。自らの手を犯罪で染めてしまうことが怖かったのだ。それがバレて刑務所に入れられたら…。

そんなとき、近くで声が聞こえた。

「いいじゃん、しなよ。復讐」
「誰!?」

部屋の隅に、男の子が立っていた。見た感じ私と歳が変わらなさそうだ。全身真っ黒の服。

「僕はアベル。君の…守護霊的なやつかな?だから君以外の人間には見えないからね」
「は、はあ…」
「ね、なんで復讐しないの?」
「復讐なんか…虚しいだけだよ。復讐したって家族は帰ってこない。だったら…私がちゃんと生きて」
「…つまらない。ちゃんと生きるだって?施設でも学校でも必要とされなくて、こんな所に逃げてきたのは誰だ」
「それは…」

そうだ、彼の言う通りだった。ちゃんと生きるも何も、ここに私は逃げてきた。警察のとこに行ったらまた施設に入れられる。また勉強して…

気が狂いそうだ。

「それに…考えてみなよ。家族を殺したあいつ、生徒の夢を潰した先生、いじめた同級生」

そうだ、あの担任のせいで同級生にまで無視された。

「君がこんな辛い目にあってるのに、やつらはのうのうと暮らしている。悔しいと思わないかい?世の中は不条理だって」
「ええ…思うわ」
「あの担任のスライドは?面白かっただろ?あいつの絶望した顔」
「面白かったわ」

彼は私の耳元で囁いた。

「復讐は犯罪じゃない

苦しんでいる人たちを救う為の手段だ

何を迷っている?

君はひとりじゃない、仲間がいるじゃないか」

「…みんなに伝えに行ってくるね


復讐、考えてみるって」


そう言って彼女は部屋を出ていった


ああ、伝え忘れた。僕の本当の名前。


それは____



【アルシエル】
黒い太陽を象徴する暗黒の神

暇だったらお願いします→←嘘



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:唯那 | 作成日時:2017年3月9日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。