騙し合いの果て、偽りの愛[カラ松] (ページ17)

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嘘ページ17

ヒロさんは本当に優しかった。ちゃんと高校に行かせてくれるし、働いた分、ちゃんとお給料を払ってくれた。
客から「学生なのにこんな所で働いてていいのか？」と聞かれた時は、「親戚の子。親の同意をとっている」と誤魔化した。

ベルが鳴って、男女の客が入ってきた。常連のky-koさんとRyoさんだ。二人とも容姿端麗で、誰もが振り向く美人だ。

「いらっしゃいませ、恭子さん、龍さん！」
「違うわよ、A。ky-koよ」
「あ、すみません」

二人の注文を受け、私はカクテルを作る。二人とも勉強を教えてくれる。

すると、Ryoさんが私のことをじっと見つめていることに気がついた。

「あの、Ryoさん。どうかしましたか？」

皆いう前に、私はRyoさんに顎を掴まれた。言わば、顎クイ状態だ。

「あっ、あのの、Ryoさん？？/////」

Ryoさんが離す気配はない。助けを求め、ky-koさんの方を見る。いつもだったら「からかってるならやめてあげなさいよ。まだ高校生よ？」とか言うはずなのに。彼女はその光景を見つめ、うっとりしているようだ。

「あのっ、からかうのはやめてください！、」
「別にからかっている訳では無い」
「…え？」

彼の目は、私を捉えて離さない。吸い込まれそうな瞳から逃れることは出来ない。

「この目。いい目だ。我々と同じだ」

彼は、私の耳のそばで囁いた。

「復讐に呑まれている」
「！」

そっと私から手を離し、彼が立ち上がる。

「どうだ、A。お前も一緒にやらないか？

”復讐屋”を」