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着いた先はバーだった。彼は鍵を使ってドアを開け、表示を[CLOSE]に変えた。

「入って」

中は、大人の雰囲気だった。落ち着くようなバラードが流れていた。

彼は、私に席に着くよう促すと、自分はカウンターの方へとまわった。

「何なら飲めるかしら…。あ、ルイボスティー飲める?」
「あ、はい。大丈夫です」

なんだろう。未成年がバーにいる。このことでなかなか落ち着けない。

「大丈夫よ、見てる人は誰もいないし」

私の気持ちを察したのか、彼は優しく言った。

ルイボスティーは、今まで飲んだ中で一番美味しかった。

「アタシはヒロ。あなたは?」
「福居…Aです」
「Aちゃん!いい名前ね。じゃあ、なんであんな所にいたか話してくれる?あ、話せる範囲でいいわよ。少しでもあなたの支えになりたいから」

私は、ヒロさんにことの全てを話した。彼は、親身になって話を聞いてくれた。

「…そうなの。それは大変だったわねぇ…」
「…はい。あの、話聞いて下さり、ありがとうございました。とても楽になりました」
「ねえ、この後どうするの?あなた、行く宛ないんじゃないの?」
「ぁ…」

私が言葉に詰まっていると、彼は優しく微笑んだ。

「じゃあ、ウチに置いてあげる。ちゃんと、高校にも行かせてあげるわ。あ、でも、こき使うわよ?覚悟しときなさいねッ」

嘘→←騙す



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作者名:唯那 | 作成日時:2017年3月9日 21時

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