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嘘 ページ13
私は、路地裏で一人、うずくまっていた。
「どうしよっかな…」
どこにも帰る場所はない。頼れる人もいない。
腹の虫が鳴く。
「お腹、すいたなぁ…。このまま私、死ぬのかな?まあ、それもそれでいっか…」
と呟いたそのとき。手が差し伸べられた。
「アナタ、一人なの?なら、アタシと一緒に来ない?」
目の前には、知らない男。
「お腹空いてるんでしょ?大丈夫よ、襲ったりしないから」
私が小さくうなずくと、彼は私の手を引いた。
「さぁ、行きましょ?」
久しぶりに感じる手の温もり。
『おいみんなー!隣ちゃんといるかー?』
『『はーい』』
『福居は?隣いるか?』
『いいえ先生。元から隣はいません』
『そっか。じゃあ、出発するぞー』
<元から隣はいない>
その言葉が、胸を締め付けたのを覚えてる。
「あ…ちょっと…」
「ん?どうかしたの?」
「傘…」
彼は私の方に傘を傾けているので、肩が雨に濡れている。
彼は、私の言葉が聞こえなかったのか、
「もうすぐ着くわ」
と言った。
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作者名:唯那 | 作成日時:2017年3月9日 21時