孤独なお姉ちゃん[おそ松さん]

#2 ページ37

可愛い弟達の声が聞こえるけど…

気にしない気にしない☆

東郷「さぁ、縄はほどいたよ

さっさと出てってくれる？」

十「でもっ、姉さんも…」

東郷「さっさと出ろっつってんだろ！

こいつ殺すぞ！」

東郷が今までにないほどの形相で怒鳴った

怒ったサイコパスほど怖いものは無い

弟達は罪悪感を目に宿しながら、

すごすごと部屋を出ていった


東郷「……本当によかったのかい？

弟達は助かるけど、
君は死んじゃうんだよ？」

あ「…いいよ、別に

私は嫌われて当然のことしたんだから

これは”償い”だよ」

東郷「そうか……

でもいいなぁ、君の弟達は

こんなにも愛してくれる
お姉ちゃんがいるなんて」

あ「あなたにも、兄弟がいるの？」

東郷正確には、”いた”だね」

東郷は立ち上がり、

手にしていたナイフを捨てた

カシャン、と音を立ててナイフが落ちた


東郷「命って、なんだろうね

命の重さって

人によって変わるのかな」

あ「命は

意地悪で、ひねくれた神様からの

贈り物だよ

命の重さはみんな同じ」

東郷「戦争で殺される子供も

汚職にまみれた政治家も

平凡に生きて死ぬ老人も

努力して夢を掴んだ少年も

虐待に耐えきれず親を殺した少女も

遺書にいじめのことを書いて
自ら命を絶った人も

みんな同じ？」


あ「同じだよ」

東郷「残忍で、残酷で、

人の命を軽んじてる殺人鬼も？」

あ「…同じ、だよ

そりゃあ、
人としては絶対にしてはいけない行為だよ

でもね、命の重さは変わらないんだよ

自分の誤ちに気づいたなら、

償うべきで

気づけなかったら

周りが教えるんだよ


…って、私何言ってるんだろ笑

恥ずかしいなぁ、はは…」

東郷「その通りだと、僕は思うよ

ありがとう

君のおかげで決心がついたよ」

※続く

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