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ド「さっきので、か?」
『うーん、まあそんなところ』と苦々しく情けなさそうに眉を下げて言う。
ド「分かった、近くにいる先生を呼んでくる」
端的に言葉を残した彼は走って私の前を突き進み、彼の姿が段々と小さくなるのを眺めていた。
『さてと、誰が来るかな』
私は木の傍で腰を下ろして、段々と日が落ちていく中、静かに浅く呼吸を繰り返す。
ただその場で杖を直す魔法さえかけてくれたら、多分、大丈夫何だけど、まだそんな魔法知らないしなあ。
何だっけ、そんな魔法あったような気がするけど────
『ドラコって意外と優しいんだなあ』と空を見上げてにこやかな笑みを浮かべた。
原作ではハリーを中心としているから、彼の優しさがあんまり見れなかったけど、こんなこともあるもんなんだな。
しばらくそよ風に吹かれて湖の中で蠢く生物を遠くながら見つめていた。
ドラコが呼びに行き、少し時間が経つ。微かに夕食の匂いが湖に立ち込めて、私は木を伝って立ち上がった。
『うわ、めっちゃ美味しそうな匂い────』とホグワーツの方を振り向く。
私の目には、真後ろでニンニク臭いターバンを巻いたクィレル先生が歴然と私を見下ろす姿が目に入った。
その目にはあのオドオドとした感じもなく、何も無い真っ暗でひんやりとした何かがある。危機を感じ取った私は、少し一歩下がり、心底驚いたような顔をした。
『く、クィレル先生───いきなり後ろに立たれたら、びっくりします』
クィ「そ、そんなつもりは、な、無かったんです……」
気の毒そうに言葉を詰まらせて、眉尻を下げる姿が私の目の前にある。しかし私は彼が何者かを腹の中に留めて、ぐるぐると、とぐろをまく不安をゴクリと飲み込んだ。
クィ「そ、そんなことより、Ms.ブ、ブ、ブラックは、何をしているんですか?」
『ああー……』と言葉を濁して、改めて頭の中でこれはどうしたものかと考えることを要求された。
さて、これはクィレル先生に杖を直す魔法をかけてもらおうか。私の正体は気づいてないだろうし、何よりそんなむやみやたらに攻撃するつもりもないだろう。
『先生、この杖に修復呪文をかけてくれませんか? 入学して早々、杖が
クィ「べ、別にか、か、構いませんが、何故ですかA・ブラック」
先生は私の差し出した手のひらの上にある杖に修復呪文をかけながら、私の方をじっと見ている。
気の毒そうな目に暗闇がチラついている。
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白眉(プロフ) - いさん» そう言ってもらえると嬉しいです! 最新話で待ってます! (2022年5月11日 19時) (レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
い - コメ失礼します…作者さん文才ありすぎでは…????凄くなんかあの、とにかく文の構成とか語彙の使い方がすごく好きです!!頑張ってください応援してます!!続き読んできます!!! (2022年5月9日 14時) (レス) @page5 id: 195510f68a (このIDを非表示/違反報告)
白眉(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます!挫折しないように心を強く持って制作に試みたいと思います! (2022年3月2日 9時) (レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 初コメです。おにきり食べたいさんから、紹介されてお邪魔しに来ました。私も個人的にハリポタの夢小説を投稿している身なので、ハリポタのシリーズは長くて途中で、挫折してしまうこともあると、思います。余計なお世話かもしれませんが、陰ながら応援しています。 (2022年2月28日 14時) (レス) id: df12d0aab7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:T | 作成日時:2022年2月4日 23時