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そうであってもネビルがいるところは、地上より遥か上。とても高いところにネビルは、惨めにぶら下がっている。
フーチ「ロングボトム!」
先生の声をよそに、怖さで暴れて余計にローブを張り裂けているネビルのところに向かおうと地面を強く蹴りあげた。
「A!」というハリーとロンの声が耳に入るが、私は器用にそこそこのスピードを出して、暴れるネビルに近づく。
よし!間に合え……間に合え!────
多数の生徒の悲鳴と先生の制止の声を無視して、予見者の義務のごとく、私はネビルに手を伸ばした。
ネ「A……」
小さく縋り付くような声は私の心を心底締め付ける。そうして、ネビルのローブがついに破けた────
「うわあああっ!」と叫び私に手を伸ばすネビルを、私は左手で箒をしっかりと持ち、殆ど上半身を宙に投げ出すかのように右手でネビルの手を掴もうとする。
『ネビル!』
落ちていく彼が目の前で私に助けを求めている。私の手とネビルの手が微かに掠る。
ダメだ!もっと────もっと近くに!
私は僅かながらにネビルと共に落ちていく覚悟でもっと上半身をネビルの方に乗り出し、彼の汗ばんだ手をしっかりと握りしめる。
『よし……』と小さく洩らすけれど、私とネビルはまだ地上より遥か上。私の左手はネビルの重さで限界を迎えようとしていた。
微かに左手に違和感を感じ取った私は、ネビルから自分の左手へと目を向ける。
そういえばフレッドとジョージが学校の箒のことをあまり良くないって洩らしてたな。
私は微弱ながらも段々と大きくなる箒の震えを密かに感じ、額にぽつぽつと汗が滲み始める。
『確か……高いところに行くと震え出す箒があるって』
私の掴んでいる箒は、私を振り落とそうとするほどに揺れ動き、ネビルが慌てたようにぐいっと私の右腕に捕まる。
『あ、やべ!』
震えに耐えきれなくなった私の左手は、箒を持つことを拒絶して、私はネビルと共に高さ3メートルあたりのところから、真っ逆さまに落ちた。
ギリッ
と嫌な音が地面に手から着いた時に脇腹の方から聞こえてきた。
慌てて皆が駆け寄り、私はその皆の足の隙間から地面に這いつくばって、ネビルの様子を伺う。
ハ「A!すごいよ、助けるなんて!」
『うわ、嬉しいよ……』とひっそりと感じる体全体の痛みに、冷や汗を拭きながら答えた。
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白眉(プロフ) - いさん» そう言ってもらえると嬉しいです! 最新話で待ってます! (2022年5月11日 19時) (レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
い - コメ失礼します…作者さん文才ありすぎでは…????凄くなんかあの、とにかく文の構成とか語彙の使い方がすごく好きです!!頑張ってください応援してます!!続き読んできます!!! (2022年5月9日 14時) (レス) @page5 id: 195510f68a (このIDを非表示/違反報告)
白眉(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます!挫折しないように心を強く持って制作に試みたいと思います! (2022年3月2日 9時) (レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 初コメです。おにきり食べたいさんから、紹介されてお邪魔しに来ました。私も個人的にハリポタの夢小説を投稿している身なので、ハリポタのシリーズは長くて途中で、挫折してしまうこともあると、思います。余計なお世話かもしれませんが、陰ながら応援しています。 (2022年2月28日 14時) (レス) id: df12d0aab7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:T | 作成日時:2022年2月4日 23時