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失敬。言い換えるならば、極めて威圧的な暗闇であった。
そしてなぜ威圧的なのかを私は本能的に感じ取って、前を進むことをやめた。
『う、うわ、暗すぎて怖いなー』と棒読みの声を響かせて、一歩後ろへ下がる。
これはもはや暗闇などではなく、底知れない彼からの憎悪であることを瞬時に理解した私は、目を動かすことが出来ない。
そして前から……いいや私の真上から吐き出される声は冷や汗が背中を伝うほど、ひんやりとしている。
ス「貴様がフィルチに見つかることなく、このホグワーツを探索できる頭があったことに我輩は驚いている」
『……う、うわ、嬉しくて泣いちゃいそう』
私は心底心のこもっていない声で、やらかしたと肝に銘じていた。
ス「そして私はグリフィンドールに減点をできる機会ができたことに喜ばしく思っている」
『……へ、へえ、これはなんて言えばいいんだろう』
いい返答を思いつかなかった私は、一瞬のうちに教授に背を向けて彼とは反対方向に走り出していた。
つ、捕まる訳には行かねぇ!
そう心の中で叫ぶ私の声は虚しく、スネイプ教授の杖が一振されるだけで私は逃げることができなくなってしまった。
そして宙に浮いた私の体は、乱雑にも床に叩きつけられて私は這いつくばることを要求された。
『痛っ』と小さく漏らす。
そして上から降りかかる嫌悪に目を向ければ、暗闇で分からないのにはっきりとスネイプ教授の怒りが顕にされた顔がまじまじと分かった。
ス「新学期初日に何をしている!グリフィンドール20点減点!」
『に、20点!』
いや、確かにこればっかりは私が悪いんだけど。でも、言い訳を言っても絶対に減点するんだろうな。
ス「どうした?つまらん言い訳を言う気になれないか?」
歯を剥き出し、ついでに嫌悪をむき出しに怒る教授に私は、床から立ち上がって教授の方を見つめた。
『いや、言い訳はないです』と肩を竦めて言う。
ス「ほう?その頭でもそれなりに考えることが出来たとは」
私に嫌悪をむき出し。私は心底嬉しい半面、そこまで怒らなくともいいのではないかと心中に訴えている。
「罰則についてだが」と誇らしげにその口から漏らされた言葉に、明らかなる期待を見せた私の顔を見たスネイプ教授は口を閉じる。
『罰則って、何をやらせる気なんですか!』
ス「前言撤回だ」
『く、くそぉ……』と、私は膝から崩れ落ちてまた自ら這い蹲ることにした。
そして見下す彼の視線が背中を突き刺す。
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白眉(プロフ) - いさん» そう言ってもらえると嬉しいです! 最新話で待ってます! (2022年5月11日 19時) (レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
い - コメ失礼します…作者さん文才ありすぎでは…????凄くなんかあの、とにかく文の構成とか語彙の使い方がすごく好きです!!頑張ってください応援してます!!続き読んできます!!! (2022年5月9日 14時) (レス) @page5 id: 195510f68a (このIDを非表示/違反報告)
白眉(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます!挫折しないように心を強く持って制作に試みたいと思います! (2022年3月2日 9時) (レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 初コメです。おにきり食べたいさんから、紹介されてお邪魔しに来ました。私も個人的にハリポタの夢小説を投稿している身なので、ハリポタのシリーズは長くて途中で、挫折してしまうこともあると、思います。余計なお世話かもしれませんが、陰ながら応援しています。 (2022年2月28日 14時) (レス) id: df12d0aab7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:T | 作成日時:2022年2月4日 23時