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『え、もしかして根に持ってます?』と遮ると、拍子抜けしたようにダンブルドアは目を数回ぱちぱちとさせる。

『それは気が動転してて』

ダ「いいや違うぞ、A。君は大層な責務を背負っておるのでな。その最初の手助けというわけじゃ」

懐を探って「ほれ」と、私の方に何かを投げてくる。

それを落とさないように受け取っては、月光にあててそれが何なのかを確認した。

『うわ』と声を漏らしてそのプレゼントを見つめた。月明かりに黒々と輝くその手袋は、心の底から嬉しさが溢れ出た。

ダ「それは使い勝手の良い手袋でな。杖が持ち主に対する執着が''少々''治まる」

『''少々''ですか……でも、治まるのはありがたいです』

少し涙を浮かべながら、逃げることの出来ない杖の執着に私は気が折れた。そうして、私は手袋をはめていた。

そうその時、ダンブルドアは私の手を見て顔を曇らせる。私がつけ終わったのを見計らって、またダンブルドアは歩き出し、私も足を動かした。

そして彼は、月をじっと見つめながら歩いていた。決して私の方を見ることなく、淡々といつもの調子で言葉を続けた。

ダ「難儀じゃのう」

『ええ、まあ仕方がないことです』

私も何も考えることなくフィルチがいやしないかと周りばかりをキョロキョロとしていた。

「可哀想じゃ」と零した彼の声は、何やら熱い何かを心に留めていて、それを私に明確に隠すようにしている。

『え?』と言葉を返すと、ダンブルドアはまだ月から目を離すことなく言葉を続ける。

ダ「私は君の首や手首から見える痣を初めて見た」

その痣について私が説明をしようとしても、彼はそんな説明の間を空けてくれやしない。

ダ「そうしてそれが前から無かったことはちゃんと知っている。ならなぜ、痣は勝手ながら出てきたのか」

「それは────」とそこで言葉を詰まらせて、また何事も無かったかのごとく、平然をよそっている。

ダ「それは昔話のせいじゃ」

『え、ええ?昔話? 昔話や予言についてはあなたが全て教えてくれたじゃないですか?』

私は手をぎゅっと握って、何を言い出すのかと眉を顰めた。静かな夜がこの上なく恐ろしくてたまらない。

ダ「私が知っている(・・・・・・・)昔話と予言は、全て伝えたつもりじゃ」

「しかし、昔話は全てが正しい訳ではない」と不意に振り返る。

彼の姿が月に照らされて、私はそのダンブルドアの顔を窺い知ることができない。

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設定タグ:ハリーポッター , セブルス・スネイプ , トリップ   
作品ジャンル:恋愛
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白眉(プロフ) - いさん» そう言ってもらえると嬉しいです! 最新話で待ってます! (2022年5月11日 19時) (レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
- コメ失礼します…作者さん文才ありすぎでは…????凄くなんかあの、とにかく文の構成とか語彙の使い方がすごく好きです!!頑張ってください応援してます!!続き読んできます!!! (2022年5月9日 14時) (レス) @page5 id: 195510f68a (このIDを非表示/違反報告)
白眉(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます!挫折しないように心を強く持って制作に試みたいと思います! (2022年3月2日 9時) (レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 初コメです。おにきり食べたいさんから、紹介されてお邪魔しに来ました。私も個人的にハリポタの夢小説を投稿している身なので、ハリポタのシリーズは長くて途中で、挫折してしまうこともあると、思います。余計なお世話かもしれませんが、陰ながら応援しています。 (2022年2月28日 14時) (レス) id: df12d0aab7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:T | 作成日時:2022年2月4日 23時

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