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手記肆拾伍頁目 ページ47

Aside


「嗚呼。」





お兄様の声の次に父上の低い声が聴こえてきて、恐怖心が襲いかかる。





「この事は、母には勿論Aに知られてはならぬ。心しておけ。」





父上のそう棘のある冷たい声に、襖越しとはいえ睨まれた気分だ。





「……はい。」





お兄様の弱々しい返事が聴こえた所で、次に父上は衝撃の言葉を発する。





「あの隣の道場の家族を…………」





そこまで聞いて、背筋に冷たい物が走った。





「全員、殺 .せ。」





その後、私はその場で聞いた事が頭から離れず気付けばいつの間にか湯船に浸かっていた。





___________________________________


【隣の道場の家族を殺 .せ】





何だか上手く空気が吸えない。





【食器棚の二段目の奥に、劇薬を入れておいた。】





視界がお湯とは違う温かな雫で濡れて何も見えない。





【口にしたら命は無い。】





「Aちゃん!」





幼い頃から病弱だったけれど一番の可愛い親友の恋雪ちゃん。





【明日の日没までに】





「よく来たな、A。」





本当の娘のようにいつも可愛がってくれたお父さんのような慶蔵さん。





【隣の井戸に流し入れろ。】





「俺は何時までも貴女を想っています。」





あの日、心を通い合わせた大好きな狛治さん。





『いやッ……………!』





頭が痛い。いたい。イタイ。





つい先程夢で感じた頭痛が襲ってきて、涙を流しながら、過呼吸になりながら頭を抱える。





【やらなければ……お前も命は無いと思え。】





【……はい。】





何故こんなにも運命……否、父上は残酷なのだろうか。





いつの間にか呼吸も落ち着いて、頭も冷えていて上を仰ぎ見た。





風呂場の上方にある小窓からは冷ややかな光を地上に降り注いでる酷く綺麗な上弦の月が見えていた。





私の頭は、身体は。





これからやる事を分かっているかのように冷静に淡々と最期へと向かっていっていた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 猗窩座 , 狛治   
作品ジャンル:恋愛
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主人公(プロフ) - まゆまゆさん» 本作品を見つけて頂きありがとうございます!私も映画見る前はそうでした笑是非ともこれからもご愛読頂けると嬉しいです(^^) (2021年3月26日 15時) (レス) id: b1a69e75f8 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - やぁ〜、猗窩座とのお話しを探して三千里(はっ?)なかなか書いてらっしゃる方居なくて、見付けたら嬉しくて善逸みたいに汚ない高音でイィヤァァァア〜状態w自分無限列車何も知らずに観に行って猗窩座の第一声で石田彰さんて解って涎垂らしそうな程で、幸せ (2021年3月26日 14時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
主人公(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます。やっとこさ1を書き終えました。続編も近日公開致しますので是非ともこれからも応援お願い致します! (2021年3月18日 18時) (レス) id: 1c0023d245 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 初めまして!この作品大好きで、ずーっと更新をお待ちしてたので嬉しいです!!!はくじさんと早く会えますように( ; ; )最後どうなるのか気になります!! (2021年2月21日 7時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
- 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2021年1月9日 5時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:主人公 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年11月9日 21時

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