手記肆拾肆頁目 ページ46
Aside
『は、は……う、え?』
やっと喉から出た私の声は酷く震えて掠れていた。
「貴女、物凄く汗をかいて魘されていたのよ。」
母は、小さな子供をあやす様に私の背中をゆっくり撫でてくれた。
確かに、今母に撫でられている背中につく布だけでなく身体中が汗で濡れていて着物が気持ち悪いくらい肌に張り付いていた。
「さぁ、お風呂はもう沸かしておきました。汗を流しましょう。」
母が肩を支えてくれて、微かに足が震えながらも立つことが出来た。
『ありがとう……母上。』
母は、眉を少し下げて目を細めた。まるで、お兄様のような微笑み方だった。
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『お風呂へ行く前に厠へ行きたいの。』
そう母に告げると本来ならば母も着いてくるが、今夜は私の着替えを置いておくのを忘れたからと一人で厠に行くことになった。
厠は、家の中にあるのではなく家の裏の離れにある。
縁側の沓脱石に置いてある厠へ行く時専用の下駄に履き替えて家の裏に回る。
用を済ませて、下駄を元の沓脱石の所に置いて風呂場へ向かおうとすると途中、薄暗い廊下に一部屋だけ行灯の灯りがひっそりと灯ってる部屋を見つけた。
何だか興味を唆られてしまい、気配を悟られないようそっと近付いて襖に耳を傾けた。
「父上、何か俺に御用でしょうか。」
襖の向こうから聴こえてきたのは、お兄様の声だった。
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主人公(プロフ) - まゆまゆさん» 本作品を見つけて頂きありがとうございます!私も映画見る前はそうでした笑是非ともこれからもご愛読頂けると嬉しいです(^^) (2021年3月26日 15時) (レス) id: b1a69e75f8 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - やぁ〜、猗窩座とのお話しを探して三千里(はっ?)なかなか書いてらっしゃる方居なくて、見付けたら嬉しくて善逸みたいに汚ない高音でイィヤァァァア〜状態w自分無限列車何も知らずに観に行って猗窩座の第一声で石田彰さんて解って涎垂らしそうな程で、幸せ (2021年3月26日 14時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
主人公(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます。やっとこさ1を書き終えました。続編も近日公開致しますので是非ともこれからも応援お願い致します! (2021年3月18日 18時) (レス) id: 1c0023d245 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 初めまして!この作品大好きで、ずーっと更新をお待ちしてたので嬉しいです!!!はくじさんと早く会えますように( ; ; )最後どうなるのか気になります!! (2021年2月21日 7時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2021年1月9日 5時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
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