第4話 お願い ページ6
朝、教室に入ると星がものすごい勢いで突進してきた。そして、私と古都花に話したいことがあるのだと言う。…なんだろう?
「それで、話って?」
1度席に着いて荷物を下ろしながら、早く話したくてたまらない、といった表情をしている星に聞いてみた。
「うん。あのね、あのね!プリチケが届いたの!!」
「えっ!?ほんと!?おめでとう!!」
「ありがと!」
星はすごく嬉しそうな笑顔でそう言った。
それを見て私は…少し、本当に少しだけ、星を妬んでしまった。
「星さんもですか〜おめでとうございます〜」
…『も』?
「えっと…もしかして、古都花もプリチケ、届いたり…?」
恐る恐るそう問いかけてみると、
「はい〜今日の朝、起きたら枕元にプリチケがあったんです〜!」
と、返ってきた。その表情は星と同じようにすごく嬉しそうな笑顔で。
…その顔を見て私は、どこかに取り残されたような寂しさと疎外感を感じてしまった。
だって私には、まだ…
「古都花も届いたんだ!やったね!!あ、もしかして、ひなたも届いてたり?」
星のその問いに、私は首を横に振る。
「…ううん。私には、まだ届いてないよ…」
「そ、そっか…」
私がよっぽど沈んだ顔をしていたのか、星は困ったようにそれだけ言った。
「ひなたさんも私たちにお話があるって言ってましたよね〜?それって、なんでしょう〜?」
そんな私と星の間に流れた重い空気を振り払ったのは、古都花の質問だった。
「あ、うん。これ、見て。」
そう言って私は2人に昨日拾ったものを見せた。
「…!?これっ、ももあ様の!?」
「トモチケ、ですよね〜?ひなたさん、どうしてこれを〜?」
そんな2人に私は昨日の出来事を話した。
「なるほど〜…いろいろと疑問はありますが、とりあえずこれ、どうしましょう〜?」
「それを2人に相談しようと思ったんだけど…2人はプリチケ届いたんだよね?だから、お願いがあるの。プリパラに行って、このトモチケ、ももあ様に渡してくれないかな?」
「えっ、でも…私たちだけ、プリパラに行くなんて…」
私のお願いに、星は躊躇った様子を見せる。けど…
「…うん。ほんとは、私にもプリチケが届くまで待ってほしいよ。そして3人で、初めてのプリパラを楽しみたい。…でも。そんなの2人に悪いし、ももあ様だってこのトモチケ、探してると思うんだ。それに、このトモチケを託してもいいって思えるのは2人しかいないから…お願い。」
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静樹ミサ(プロフ) - ひなた、星、古都花の3人組可愛いです!続きが気になります!更新待ってます! (2020年5月16日 17時) (レス) id: d52d3cf10e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美果 | 作成日時:2019年8月6日 19時