続き4 ページ29
『どういう奴というか、好みだから好きになったというよりは、好きだから好みになった、と言う方が正しいですかね』
「‥‥‥‥‥好きだから好みになった?」
思わず宇髄は聞き返す。どういうことだろう?
『例えば子供‥‥六、八歳ぐらいの子供は好みの人だなんて聞かれても分からないでしょう』
確かに、と宇髄は頷く。
『でも、その内。色んな人を知って、沢山の人を見て、そうして、嗚呼こういう人が好きだなぁというのが分かってくる』
それに、とAは話を続ける。
『最初は苦手だと思った人も、段々好きになってきたりもする。つまりはね、ど派手くん』
好きになるから、好みができる。
確かに、と宇髄は思う。自分だって最初は、Aとこんな、一緒に旅行にまで行く関係になるとは思っていなかった。
人の好みなんて元からない。人と会って好きになっていくから好みが出来てくる。
『だからまあ私も今まで会った人の中でこういう人が好きだなと思った人ぐらいはいますけどね』
そして爆発発言。
嗚呼そういえばコイツはいつも心臓の寿命を何年も縮ませるような奴だったなと宇髄の中の冷静な宇髄がそう思った。
「んで、結局どういう奴が好きなんだよ」
『人生って色々あるよね』
「おい、」
結局宇髄はAにはぐらかされて終わった。ぶつぶつと宇髄がボヤきながら旅館に一歩踏み入れる。
「おぉ…」
先程の不貞腐れはどこに行ったのか。宇髄の気分は一瞬にして上がる。
ヒノキの良い香りに包まれ、中は広く綺麗。
「お待ちしておりました宇髄様。それではお部屋にご案内いたします」
深々と年老いた女将は宇髄に頭を下げ、丁寧な作法で案内する。
きゃー!と須磨が嬉しそうに叫び雛鶴やマキヲの頬も心無しか赤い。
案内された部屋はそれはもう立派なものであった。
「えーでは簡単にご説明させて頂きます。お食事は十八時からお運びさせて頂きます。また、大浴場は二十四時間ご利用できます」
説明し終えるとでは、と深々と頭を下げられえぇ。と雛鶴が相槌を打って返事をする。
さあ、先ずは何します?と須磨が嬉しそうにAを見た。
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ひいらぎ・いろ - 小冬さん» ありがとうございます、いつも小説を書く度に面白いか凄い不安になって、、そう言ってもらえて凄く凄く励まされます!これからも頑張ります! (2021年5月2日 7時) (レス) id: 3d1bfbcbe7 (このIDを非表示/違反報告)
小冬 - とっっても、面白かったです!!もう、夢主の反応とかがめっちゃ面白くていつも思い出して笑っています!!これからも頑張って下さい!! (2021年5月1日 23時) (レス) id: b394ae1541 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ・いろ - S_t0606さん» コメントがきたことにはしゃぐ人間はこの世にはいます。(ありがとうございます!)なるほど、、確かに夢主よく宇髄さんといますから、、もしかしたら、、? (2020年11月29日 20時) (レス) id: 79b860e9e4 (このIDを非表示/違反報告)
S_t0606(プロフ) - 宇髄さん宇髄さん宇髄天元様で落ちお願いします (2020年11月29日 17時) (レス) id: 3664f0360e (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ・いろ - 氷華さん» まさか続編にいけるとは、、(←亀更新人間)こちらこそ、よろしくお願いします! (2020年11月14日 21時) (レス) id: 79b860e9e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひいらぎ・いろ x他1人 | 作成日時:2020年11月13日 0時