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本当に本当に大切なものは残るはずなんだ。 ページ16

「天元様あ"!!!」


泣きながら須磨がAが目を覚ましたと報告にきた。聞いた途端、どうしようもない想いが胸の中で渦巻き気が付けば荒々しく廊下を走っていた。

会いたい。もう一秒足りとも離したくない。家に帰った時、玄関に大量の血が垂れていたことに驚いた。

それがAの血だと知って絶望した。目を覚めないAを抱きしめた。低い体温に腕が震えた。覚めない目に心の底から守れなかったことを悔やんだ。


戸を開く。


上半身を起こし、空虚を眺めているAが見える。


走るほどの距離でもないのに少しの時間も惜しくてAの方に駆ける。


「Aっ‥‥‥」


強く強く抱きしめる。そうしないとAは離れていく気がして不安を消し飛ばすように抱き締めた。


その温もりに安堵する。そして気がついてしまう。


嗚呼、好きなんだと思った。俺はあいつのことが。Aのことが。なぜ今まで気付けなかったのだろう。


いや、気付いていた。何度も何度も。でも目を逸らしていた。怖かった、人を殺し汚れた手でAに触れるのが。


俺ではAを幸せに出来ない気がした。それでもAと話す度に想いは大きくなってしまう。行き場をなくしてしまう程に。


きゅっとAに袖を掴まれる。強く抱き締めすぎたかと思い、謝罪の言葉をのめようとした、刹那。


『君は誰ですか』



息が詰まる。目を大きく開いて、頭の中にはどんどん嫌な想像が広がっていった。

震えた声がでる。


「うそ、だろ。冗談、だよな」


『‥‥君は誰なのかはよく分からないけど、多分、私は記憶喪失になっていると思うんだ』





あれから何があったか朧気にしか覚えていない。確か、お隣がきて泣きながら喜んだのも束の間、Aが記憶喪失なのだと知った。


「本当に‥‥記憶、ないのぉ?Aちゃんっ‥‥」


『残念ですがね。それと、君達の名前を教えてもらってもいいですか?』


その言葉に今の今までずっと俯いてあおた宇髄がゆっくりと顔をあげた。無理やり笑ったかのような顔で話す。


「‥‥嗚呼。俺は宇髄天元様だ!!!!よく覚えてやがれ!!」


『なるほど。よろしく宇髄さん』


宇髄につられ、お隣も顔を上げ泣き腫らした顔で笑う。


「私の名前は‥‥‥本名とは違うけど、お隣って言うのぉ!よろ‥しくね、Aちゃんっ‥‥」


『お隣、さん』


耐えきれずお隣は泣き崩れる。部屋にお隣の泣き声が聞こえた。

鼻のいい少年は気づく。そんな彼は鬼殺隊。→←幸せが溢れていく。それでもいつかは。



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ひいらぎ・いろ - 小冬さん» ありがとうございます、いつも小説を書く度に面白いか凄い不安になって、、そう言ってもらえて凄く凄く励まされます!これからも頑張ります! (2021年5月2日 7時) (レス) id: 3d1bfbcbe7 (このIDを非表示/違反報告)
小冬 - とっっても、面白かったです!!もう、夢主の反応とかがめっちゃ面白くていつも思い出して笑っています!!これからも頑張って下さい!! (2021年5月1日 23時) (レス) id: b394ae1541 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ・いろ - S_t0606さん» コメントがきたことにはしゃぐ人間はこの世にはいます。(ありがとうございます!)なるほど、、確かに夢主よく宇髄さんといますから、、もしかしたら、、? (2020年11月29日 20時) (レス) id: 79b860e9e4 (このIDを非表示/違反報告)
S_t0606(プロフ) - 宇髄さん宇髄さん宇髄天元様で落ちお願いします (2020年11月29日 17時) (レス) id: 3664f0360e (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ・いろ - 氷華さん» まさか続編にいけるとは、、(←亀更新人間)こちらこそ、よろしくお願いします! (2020年11月14日 21時) (レス) id: 79b860e9e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひいらぎ・いろ x他1人 | 作成日時:2020年11月13日 0時

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