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夢と現実 ページ1

たまに夢を見る。



お線香がある。



沢山の人がいる。




ある人は私に言う。





____「アンタはちっとも、お前のお母さんに似てないねぇ‥‥」



私は戸惑う。なんて言えばいいのか分からない。




「ごめんなさい‥‥」



やっとの事で出た言葉。その人は呆れて溜息をつく。




今日は母さんのお葬式。私がまだ幼い頃。




母さんとお別れしたくなくて、私はずっと手を握りしめて、俯いていた。




みんなが私を見ている。




みんなが言いたいことは、分かっている。




みんな、言わない(、、、、)人が多いだけで、何を言いたいかは分かる。





私は、どこも見れずに、下ばかり見ていた。





視界がぼやけはじめ、そして__





『‥‥‥ここは、いったい‥‥』




長い、夢を見ていた。



昔の夢を。




『‥‥ここな天国でも地獄でも、なさそうですが』



いったいここは、何処なんでしょう。




光がなくて、暗闇に包まれた場所。



霞がかっているだけの何も無い場所。




でも、力が抜ける。



肩が軽くなる。




『‥‥‥‥やっと終わった』




やっと、終わった。そう思ったのに。




その人は、明るくて、優しくて、頭がよくて。



会った人皆から好かれる人。


 
ふわっとした暖かい笑みで「夏希」と呼ぶ。




『‥‥‥母さん。』



何故、こんなところに。




「ごめん。
ごめんね、A」



なんで謝るんだろうと、きょとんとしていると、母さんは言う。




「Aは優しい。優しすぎる。


私がAを産んだのは、私が決めたこと。

私が病気に、なったのも、後悔なんてしてない。


Aは悪くないのに。



ごめん、もっと早くにそう、言ってれば良かった。」



違う、優しすぎるのは母さんだ。




私は父さんの幸せも、何もかも奪ったから。




「私はAに『母さん、』




『もう、大丈夫です。

母さんは天国に行ってください。
ここにいては、いけない』




さっきよりも、ここが暗くなってきている。




母さんはこんなところにいるべきじゃない。



母さんが顔を歪ませて、少し悲しそうに俯く。




しかし、次の瞬間、母さんはバッと顔をあげて言う。



「わ、私はっ!!!!」




「私は!Aに幸せになってほしい!!!」




何度も、母さんは言っていた言葉だ。

大丈夫。未来を見て。→



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みょみょ(プロフ) - くっそ好きです (2022年11月24日 19時) (レス) @page4 id: e964d8a7a2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずポン - 応援してます! (2021年8月18日 21時) (レス) id: e42d1f6715 (このIDを非表示/違反報告)
赤猫・ショコラ(プロフ) - しおポンさん» こんなに更新途切れたのにコメントしてくださり、、本当にありがとうございます。更新頑張ります! (2021年5月3日 20時) (レス) id: 3d1bfbcbe7 (このIDを非表示/違反報告)
赤猫・ショコラ(プロフ) - キースさん» すみません!!!更新凄く遅くなりました、、、感想ありがとうございます。本当に面白いと言ってもらえて、嬉しいです、、!! (2021年5月3日 20時) (レス) id: 3d1bfbcbe7 (このIDを非表示/違反報告)
赤猫・ショコラ(プロフ) - はにか※はにかんさん» 温かいコメントありがとうございますm(_ _)m返信、ものすごく遅くなってすみませんでした!!! (2021年5月3日 20時) (レス) id: 3d1bfbcbe7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:常に寝不足人間 | 作成日時:2020年3月20日 11時

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