2話 ページ3
中原side
言われた通り昼餉を食べたあとは仕事に手を付けず姐さんを待った。
13時頃、書斎のドアを静かにあけ姐さんは顔をのぞかせた。
尾崎「ちと待たせてしまったか。すまぬな。」
中原「いえ、全然大丈夫です。それで、俺に会わせたいやつっていうのは...。」
尾崎「あやつは部屋を出ることが出来ぬ。故にこちらから出向かねばならぬでの。」
中原「部屋から出られない??...分かりました。」
俺に会わせたいというやつは部屋から出ることはまだ許されていないらしい。部屋から出られないということは何か強力な異能力を持っているのか?
ポートマフィアにとって都合が悪いやつなのか?
長い長い赤い絨毯の廊下を俺は悶々と考えながら進んだ。
尾崎「ここじゃ。」
姐さんに連れてこられたのは最上階の部屋の一角だった。
中原「この中...ですか。」
尾崎「ほほっ。何、そう気をはるでない。私らに危害を加えるような悪い奴ではない。」
姐さんはいつも見せる柔らかい笑みを俺に向けた。
俺たちに危害を加えるやつでないのならなぜ部屋から出られない。分からないことしかなくまだ少し気ははるが、俺はその部屋の大きな戸を引いた。
その部屋は広く、広いくせに物はほとんどなくこざっぱりとしていた。
大きさは首領の部屋と同じくらいだろうか。
否、首領の部屋より大きいかもしれない。そう感じるのは中央に赤い、一人の少女には大きすぎるひとりがけの椅子と丸い小さな机しかないからかもしれない。
貴方「客人が来られるとは珍しい。」
少女は分厚いほんから目を上げた。
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