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12話 ページ13

中原side


地下牢を出たあと俺とクソ太宰、三宅の3人は医務室へと向かった。
俺の傷の手当は勿論のこと、三宅の異能の代償は予想通り大きかった。医務室に着くと、そこには珍しく首領がいつもの白衣で待っていた。


森「いやぁ、派手にやったようだねぇ。地下牢は壊れはしなかったかね?」

太宰「ちょーっと地面と壁がえぐられただけかな。機能性としては問題ないよ。」


首領は満足気な笑みを浮かべ、俺と三宅の手当を始めた。
手当が大方終わると、首領は暖かいお茶を入れてくれた。


貴方「中原さんは素晴らしい異能兵器ですね。自分の異能をしっかり操れるだなんて...私とは大違いです。」


一瞬の静寂が部屋を包んだ。
理由は1つしかない。三宅が自分の異能を操れないわけがないからだ。三宅は異能をセーブした使い方を知らない。
汝...と始まる詠唱。俺も汚濁を使う時に必ず言う。三宅は異能を全開放した時の使い方しか知らない。


中原「手前もセーブした使い方ができるはずだ。異能を全開放でしか使えないようには作られてねえはずだぜ。」

貴方「でも、私やり方とか知らないですし...。」

中原「詠唱をするからだ。俺も異能のリミッターを解除して全開放で使うことが出来る。その時必ず俺は手前とほとんど一緒の詠唱をする。」


人工物同士でもこんなに違うものかと少しおかしな気分になる。番号が俺より若い分まだ研究途中なのかもしれねえ。


中原「俺の通常で使う異能は汚れつちまつた悲しみに。触れた相手、物の重力を操る。手前にもあるだろ。」

貴方「私...私の異能。あ...。」



薮の鶯____



三宅が小さく呟いた。刹那__


ガシャンと大きな音を立て、三宅の手にしていた湯のみが壁に叩きつけられ、割れた。


貴方「ッ!?わた、私なんてことを!ごめんなさい投げたとかそういうのじゃなくて...本当に!わざとでは無いんです!!」


焦って弁解をする三宅を見て首領はクスクスと笑う。


森「Aちゃん、落ち着きたまえ。今のが君の異能力だ。詠唱をしなくとも、君の異能の名前そのものを言えばいいのだよ。」

中原「あの詠唱はリミッターを外す、いわば鍵だ。あれを使う時は死ぬ時か、死にたくなきゃこのくそ太宰が一緒にいる時だな。」


説明を聞いても尚、まだ割ってしまった湯のみのことであたふたしている三宅を見て、少し可愛いと思ったのはまた別の話だ。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 中原中也 , ポートマフィア   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:桜朱 | 作者ホームページ:p://  
作成日時:2022年8月13日 20時

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