16話 ページ17
中原side
中原「失礼します。」
今日俺は突然首領から呼び出しがかかった。
仕事の話か、はたまた何かミスでもしたか。緊張気味に扉を開ければ椅子に腰掛ける首領。
森「やあ中也くん。突然呼び出してすまないね。」
中原「いえ。首領、要件とはなんでしょうか。」
森「うん。いやね、君にひとつお願いがあるのだよ。」
お願いという言葉になにか怒られることでは無いのだと知り、やっと肩の力が抜けた。
森「君にはAちゃんの体術の先生になってもらいたい。」
中原「体術の先生ですか？」
森「Aちゃんにもいずれポートマフィアの仕事をしてもらいたいし、何より自分の身は自分で守れなければ痛い目に合うのも苦しい目に合うのも彼女だ。異能力もおいおい太宰くんに指導はつけてもらうつもりだが、まずは異能力が使えない状況下にあっても自分を守る術を身につけてもらいたい。」
首領の言葉に納得はした。自分の身は自分で守らなけりゃならねえ。いつでも誰かが助けてくれる状況なんてものはねえ。ただ＿＿＿
中原「首領。自分で言うのもなんですが確かに俺は体術に関しては優れています。しかし、教えたこともありませんし俺は感覚でしか動けません。うまく指導できる自信が...。」
うまく教えられないどころか俺はAを傷つけてしまうかもしれない。彼奴は女だ。傷つけたくねえ。
森「多少の傷や厳しさは仕方の無いことだ。それで彼女の身に力がつくならね。私は君の実力を買ってお願いをしている。受けてくれるね？」
お願いと言うよりかは命令だ。命令には逆らえねえ。
中原「自分なりに精一杯やってみます。」
森「うん。よろしくね。Aちゃんには君から話しておいてね。指導はいつ始めても構わないよ。」
中原「御意。」
失礼します。と一声かけて俺は部屋から出た。
同じく最上階にAの部屋はあるわけだし、早速このとこを伝えようと俺はAの部屋に向かった。
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