どうか 見たい ページ3
私たちの暮らしは
決して不便ではなかった
ちゃんとご飯はあったし
着るものもある
なんならお菓子なんかも食べていた
母にこんなに贅沢で大丈夫かと問うても
お金は沢山あるから心配しないでと言われ
あとは何も言えなかった
美しい人が遊郭でお金を稼いでいたのだ
それなりに稼げたのだろう
父も地下街にいるのが不思議なほど
綺麗な顔立ちと格好をしていたっけ
家の外へ出る時は必ずフードを被ることを約束され
そして出歩く範囲も決められていた
母が食料を調達している時は
必ず外へ出て母の帰りを待っていた
暇なので歌を口ずさむのが殆どだったが
歌は好きなのでこの時間は決して苦ではなかった
その日もいつもの様に歌を口ずさみ
何となく上を見ていると
そこに
自由に宙を舞う人が現れた
まるで翼が生えているかのように
自由自在に空飛んでいたのだ
歌なんて止まり
私はただただその光景を
瞬きを惜しむほどに見ていた
その人はすぐに居なくなってしまったが
その光景は目と閉じても鮮明に浮かび上がり
また見たいと強く思った
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堕落生(プロフ) - みずたまなっちゃんさん» 嬉しい言葉をありがとうございます。更新頑張りたいと思います! (2020年3月19日 11時) (レス) id: be1f967fd2 (このIDを非表示/違反報告)
みずたまなっちゃん(プロフ) - このお話とっても素敵ですきです。続きも楽しみにしてます応援してます! (2020年3月19日 1時) (レス) id: 4a985c6981 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:堕落生 | 作成日時:2020年3月4日 18時