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なぜだか分からないけど、スズムの腕を掴んだ。



痛いよ、なんて言って優しく引き剥がされる。


それでいて、真面目な顔で突き放す。


「そらるさん、もう俺たち子供じゃないんだよ。」



ーーーもう、あの日の2人じゃない。

ばつが悪くて下を向く。

身長が大して変わらないから、どんな顔をしているのかはバレバレだ。

俺の方が4つも年上なのに、優しく諭されて。

認めたくなくて唇が震える。

俺は、俺だけは。

まだあの夏に囚われている。

夕暮れの焦げるようなオレンジが、まだ瞳の中に燻っている。



でも違うんだ。

自由に彩る40枚の余白なんて、俺達にはもう無い。

夏は終わった。

だけど、子供な俺は、失った熱に手を伸ばして何度も溶けてしまおうとした。

。→←。



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作品ジャンル:恋愛
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作者名:しろもも | 作成日時:2020年10月10日 0時

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