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この部屋には、座布団が2枚重ねてあるだけだ。

何か脱出の手がかりがあるかと期待をかけたが、フカフカの座布団様にそんな効果があるとは思えない。



「…もうやだよ〜!帰してよ!誰なの!」

まふまふが遂に爆発したのか、座布団を掴んで壁に放り投げた。

その拍子に、A4ほどの紙かなにかが舞い上がる。


「…ん?まふまふ、そこに何かある。」

「えっ、脱出への手がかり…!?どこどこ?あっ、これか!」

破るような勢いで掴むと、顔面に張り付くようにじっと文面を見つめている。


「あ、は、なにこれ、」

「え、なんて書いてある?」

「……死にたい。」

「誰が。」



どう見ても死にたい顔をしているのはまふまふの方だろう。


硬直するまふまふから紙を抜き取り、デカデカと書かれた文字を凝視する。




「…死にたい。」

「でしょう?」

お互いに向かい合ってうずくまる。目は合わない。





ーーーーしないと出られない部屋。






なんだそれ。

最近Twitterで流行ってるアレか?

冗談じゃない。

いや、誰かの冗談なのか。

男2人を閉じ込めてこんなお題を仕込むなんて、相当な物好きだな。クソが。

いるのかも分からない相手に悪態をつく。

そうでもしないと心がもたない。





「…俺ら、死ぬの?」

「そうかもしれません…。」

数分で衰弱しきったまふまふがとても小さく可哀想に見えた。

本当にーーーーしないといけないのなら、ここで餓死するかーーーーして精神的に死ぬかの2択しかないのだ。

要するにもう死んでいるも同然。



「い、1回寝てみます?これ、夢かもしれないし、」

「あぁ、そ、そうだな、寝る?」


ちょうど座布団もあるし。

地獄のような文面の紙が隠されていたものだけど。

ガチガチに固まった体を無理やり寝かせ、目を閉じる。

現実逃避をさせてくれ。

次目覚めた時には考えるから。



2人は背を向けて目を閉じた。









全然、寝られない。


眠気の欠片すらも降ってこない。




当たり前だ。


ユニットを組んでいる後輩と交わるか否か。

それを決めなければならないのだ。









「…そらるさん、起きてます?」

「っ、おき、てる。」

眠ったと思っていたまふまふが、背を向けたまま話しかけてきた。

まあこんな状況で呑気に寝られる訳もないな。



「一緒に、死にますか?」

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作品ジャンル:恋愛
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月夜(プロフ) - こ、、更新はまだですか、、 (2021年11月29日 0時) (レス) @page6 id: 0e4ab80c46 (このIDを非表示/違反報告)
とっとこリス太郎(プロフ) - mfsrでこーいうなかったんで、すごく嬉しいです! これからも頑張ってください! (2021年8月16日 20時) (レス) id: 10c5c555dd (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - 泣けるぅ!!7話楽しみに待ってますね♪ (2020年12月6日 11時) (レス) id: 5224cda9d2 (このIDを非表示/違反報告)
しろもも(プロフ) - 風兎こと七成さん» コメントありがとうございます!現在は規制がかかる内容になる前の所までで切って公開している状態です。今後の更新内容は確実に規制がかかるので、そこからはフラグを立てて更新していこうと考えています ご指摘ありがとうございます! (2020年10月12日 20時) (レス) id: 568acd3369 (このIDを非表示/違反報告)
風兎こと七成(プロフ) - r18フラグって立てなくて良いんでしょうか?私が間違っていたらすみません。 (2020年10月12日 19時) (レス) id: bd5aeed92a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しろもも | 作成日時:2020年8月30日 21時

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