遠回りしても…４【ダイヤのＡ】

19話 ページ20

.








激しい頭痛により目を覚まし眉を顰めた。
完璧な二日酔いだ。



目を開けると
どうやら私は一也に腕枕をされながら
眠っていたみたいで、
顔をあげると綺麗な顔で眠っている
一也の顔があり
軽く私を抱きしめている。




一也は上半身裸で、
嫌な予感がして布団の中を確認した。


大丈夫。
パンツは履いている。
むしろ、私もパンイチだ。




しかし、飲み会の後
一也と一緒に部屋まで帰ってきた
あたりから記憶が無い…



ベッドの下を見ると
脱ぎ散らかっている私と一也の服。





『…飲み過ぎた…』






上半身を起こして
痛む頭に手を添えながら、
Ｔシャツを手に取り身につけ
ベッドから降りようと身体を動かした。




「んっ…？A？」



のそっと目を擦り
起き上がった一也に
腕を掴まれた。




「…どこ行くんだよ…」




『頭痛薬飲むだけ、
一也水いる？』




おう、と返事をすると
私の腕を離し
ぼーっとしている。
寝起きが悪いのは治らんな…
なんて思いながら冷蔵庫へ向った。




薬を飲み、
冷蔵庫のミネラルウォーターを
コップに注ぎ一也に手渡すと
一気に飲み干して
空になったコップを返された。




「A…」




渡されたコップを
テーブルに置いてから、
一也に目を向けると
手招きをされた。





『なに…？』





ゆっくりと一也に近づくと
一也は、ニヤッと笑いはじめた。





「…おさまんねーから、抜いて？」



自分の下半身を指さして
ははっと笑っている。




『馬鹿じゃないの？
朝っぱらから何言ってんのさ…』



朝と言うより
もう昼近いのだが、
気にしない事にして
呆れた顔を向けて、
深くため息をついてやった。





「昨日は、あんなに
積極的だったじゃねーかよ？」




『はぁ？知らないから。』




一也の言っている意味が
さっぱりわからない。
帰って来てからの記憶が
綺麗に無くなっている。




「えっ…？まじ？」


『まじ！』




一也は絶句しているが
そんなに酷かったのだろうか…





「お前から誘って来るとか
珍しいと思ったんだよな…」




そう言いながら私の腕を引き
ベッドへと押し倒された。




『ちょっ…なに？！やだよ？！』




「思い出させてやるよ？」




嫌だと言おうとしたが唇を
深く重ねられ言うことが出来ず、
結局そのまま流されてしまった。









.

20話→←18話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す