遠回りしても…４【ダイヤのＡ】

18話 ページ19

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白けた目を向けるだけではなく
しまいにはため息までつかれてしまい
ムッと頬を膨らませた。





『今日、一也泊めてやんないんだからね！』





べぇっと舌を出してやったが
余裕の笑みを向けられた。




「泊まるなんて、一言も言ってねーけど？」




『えっ？泊まんないの？？』





予想外の返事に驚き
目を瞬かせて一也をみると
ニヤっと口角を上げてくる。





「Aがどうしてもって言うなら
泊まってやんねーこともねぇけど？」






多分、一也は私をからかって
言っているのだろうが
今の私にはそんなことは意味を成さない。
酔っ払っているおかげで
思ったことがすぐ口にでる。





『じゃあ、どーしても！
泊まって行って？』




ヘラヘラと笑うと
一也は額に手を当てて
はぁー…と、
ため息を疲れてしまった。





「今日は、Aの勝ちみたいだね？」




なべちゃんに笑顔を向けられ
私もつられてヘラッと笑った。




『どうした一也？』




額に手を当てたまま動かない
一也の顔を覗き込むと
前髪を掻き揚げて私の方を見た。





「いつも、これくらい素直なら
可愛いのにな？」



『悪かったねー！可愛くなくて！』





プイッと顔を背けると
なべちゃんに
仲がいいね？
なんて言われた。




「まーいいけどな？
あと、今日寝かさねぇから覚悟しとけな？」




一也はそう言うと、
ビールが来るのを待ちきれなかったのか
私のジョッキを手に取り口をつけた。





『無理ー！眠いー！』





テーブルの上に腕を組んで
顔を埋めた。





「A先輩、眠いんですか？
膝貸しますよ？」




一也とは反対の方から声が聞こえ
腕に顔を乗せたままそちらを見ると、
光舟が私のそばにしゃがんで
覗き込んできた。




「こらこら、これ俺の女な？」




一也が、私の腰を抱き
軽く自分の方に寄せながら
光舟に言うも、
全く聞き耳をもっていない。




『光舟〜心配してくれるとか可愛いな！』




手を伸ばし、
光舟の頭を撫でると
一也にその手を軽く叩かれた。




「こいつはあぶねーって、
いつも言ってんだろ？」





軽く手を叩かれた事にムスッとし、
一也にべぇっと舌をだした。




『光舟いい子だもんねー？』




光舟に首を傾げると
鏡の様に同じく首を傾げてきた。
それを見て、
お前らそんなに
仲良かったか？
と、一也はまたため息をついた。









「つーか、なんで奥村がいんだよ。」









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