side社長 ページ26
俺は、恋愛感情が著しく乏しい。
でも仮に、そういう感情に似たものがあるのだとすれば、俺の初恋は既に終わっている。
「しゅんちゃん!」
太陽のような笑顔で俺の名前を呼ぶ声は、いつ聞いても聞き飽きない。
頭を撫でると、恥ずかしそうに俯く姿は、ところ構わず抱きしめて自分のものにしたくなる。
誰にも見せたく無い。
俺だけを見ていれば良いのに。
そんな汚い感情に、Aを巻き込みたくはなかった。
いつからか、Aが俺を異性として見ていることは知っていた。その中に恋愛感情があることも。
でも俺は、全て無視して、仲の良い兄貴分を続けた。
成長するにつれて、大人の女性としての魅力が増していくA
感情が溢れてしまわないようにするのに必死だった。
そんな時は、なるべくAを遠くにやった。
俺が女を連れている時、Aは俺に近づかない。
「ねぇ、社長。あなた、あの子の事好きでしょ?」
そう言ったのは、チカという女だった。
今まで、そんな事を言う奴はいなかった。メンバーでさえ気づいていないんだから。
「ふふっ、わかりやすい人。あの子、メイク担当?」
「そうっすね。俺の幼馴染で、今はバイトですけど、凄いうまいんですよ」
チャンスだと思った。
チカはスターライト社に所属するモデルだ。
ここなら、あいつを任せられる。
あいつの夢を、叶えてやれるかもしれねぇ。
妖艶な顔をして笑うチカの姿が目に入った。
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なる - 久しぶりに泣きました!こんなに良い作品を作ってもらってほんとに感謝です、、!ありがとうございます! (2023年1月27日 21時) (レス) @page33 id: 0a17aac8c4 (このIDを非表示/違反報告)
コットン - 毎日更新してくださりありがとうございます!次のお話も待ってるよ(о´∀`о) (2022年11月13日 9時) (レス) @page33 id: cdf631467a (このIDを非表示/違反報告)
サママリネ - めちゃ良かったです! 次のお話も楽しみにしてます✨ 更新頑張ってください❤️🔥 (2022年11月13日 8時) (レス) @page33 id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天ヶ崎音 | 作成日時:2022年10月30日 23時