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5-3 ページ14

〜財前side〜
「朝も来たのに昼も来るとか…」
「まあまあ、ここなら誰にも聞かれんし」
「知ってる奴しかこんし」

お昼の鐘が鳴りすぐに謙也さんがわざわざ教室まで迎えに来た。速すぎる。少し遅れて白石部長も到着して、そのまま部室まで連れてこられた。

「で、人に聞かれたくない話てなんすか」
「いやゆさの事やねんけどな」
「はあ」
「気のない返事やな〜」
「まあ、なんとなくそやろなと思てましたから」
「ほお…」
「…ぶっちゃけて聞くとやな、結局財前てゆさの事どう思ってんの?やっぱり好きなん?」
「!」

そんなにストレートに聞かれるとは思ってなくて、つい固まってしまった。

「……どっちやと思います?」
「え…」

お弁当へと伸びていたそれぞれの手が同時に止まる。
そのまま無言で顔を見合わせる二人。チラチラとこちらを見ながら、「いや」「なあ」「でも」等と言い合っている。

「なんすか」
「…ちょっとタイム!」
「はあ」

両手でTの形をつくり、謙也さんが大声で立ち上がった。うるさい。
部長と端まで行き、ひそひそと話している。

「なあ、これ言うてええんかな」
「いやでもあいつ、好きな人おらん言うたらしいし、自覚無しちゃう?」
「家庭的なタイプもなあ、正反対やし…」
「自分で気付かなわからんやつ?」
「え、じゃあ俺らが言うたらあかんくない?」

一応小声ではあるものの、丸聞こえだ。
なにも聞こえていない、という風に昼食を食べ続けてはいるけれど、全て耳に届いている。

てか、好きな人おらんとか好きなタイプとか全部筒抜けやないか。あの人謙也さんになんでも喋りすぎちゃうか。

「別に好きとかやないです。もうええんで昼食べてください」
「「へ?」」

不思議な顔をしつつ、机まで戻りお昼を食べ始める2人。

「なんや急にイライラしだして。どうした?」
「イライラとかしてないですわ。大体、」

突然部室のドアが開き、言いかけた言葉を飲み込む。

「あら!蔵リンやないの!謙也くんに光くんまで♡」

「げ。」
「げ。てなんや、可愛い小春の登場やぞ喜べや」

そこには、腕を組んだ金色先輩と一氏先輩がいた。
なんでこの2人が?

「小春にユウジやん」
「二人ともどうしたん?」
「ちょっと忘れもん思い出してな」

そう言いながら自分のロッカーを漁る一氏先輩。

「お!あったあった」

捜し物を見つけたようで、取り出されたそれは…

「いやそれわざわざ昼に取りに来るほどのもんか?」


ちょんまげのカツラだった

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作品ジャンル:恋愛
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におー - 更新楽しみに待ってます! (2020年8月6日 7時) (レス) id: 804a9814c8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめこ(プロフ) - ここの財前くんすごい可愛くて好きです…。いつも楽しく読ませてもらってます。 (2019年10月21日 1時) (レス) id: a01c44eded (このIDを非表示/違反報告)
ふじりんご(プロフ) - あっっ こういう系好き… (2019年9月12日 20時) (レス) id: 42d7d11660 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 私は関西人です嬉しいです (2019年9月4日 13時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - テニラビやってますやられてますか?私はみかんですねんという名前でやってますよかったら申請お願いします!あと更新頑張ってください私も光くん好きです (2019年9月4日 11時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さゆ | 作成日時:2019年3月19日 8時

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