【銀魂】分かたれた刀潰【お妙】【ミツバ】 (ページ15)

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side_Touba

村正は確実に、本気で俺を殺そうと斬りかかってくる

俺は普段自分と同じ右利きの奴しか相手にしないから

決して弱くは無い村正を相手にするのは骨が折れる

人を殺す覚悟はある

でもやっと見つけた弟を斬る覚悟はまだできてない

多分これからも覚悟は決まらないだろうな

でも殺らなきゃ殺られるなら

真選組一番隊副隊長として鬼兵隊幹部を斬る

この上着は形見として、弟を探す為に来てたのもあるが

袖が広いから動きが読まれにくくて便利

心が揺らいでる今の村正には負ける気がしない

『知ってたよ、泣いて苦しんでる叔母さんも』

『親父が俺を道具として愛してる事も』

『俺にはお前がどんな事を思って生きてたかは知らない』

『でもさ、お前は』

『道具として生かされてた俺の気持ちは分からないだろ』

母さんの目も叔母さんの目も優しかった

頭を撫でる手も俺にかける声全部

その反面、親父達の俺を見る目、触る手は冷たかった

『少なくとも俺は』

『何を言われてようが人間として見られてるお前を』

『羨ましかったよ』

少し動きの鈍くなった隙を見逃さず

村正の持つ刀を弾き飛ばした為

衝撃で尻もちを着いた

『ガキの頃の俺だって』

『ちゃんとお前が助けてを求めてれば』

『ガキなりにやれる事やっただろうよ』

俺は村正に刀を向けながら話した

あくまでも威嚇の為

泣きそうな弟を斬れるほど俺は堕ちてねぇ